研究課題/領域番号 |
21K07413
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
寺島 智也 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40378485)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / ミクログリア / 標的化輸送 / 核酸医薬 / siRNA / ドラッグデリバリーシステム / IL-1β / TGF-β / グリア間ネットワーク / 標的化 / IL-1β / 反応性アストロサイト / 標的化治療 / miRNA |
研究開始時の研究の概要 |
ミクログリアおよびアストロサイトの相互のグリア間ネットワークを明らかにするために、ALSモデル動物由来のアストロサイトおよびミクログリアを単離培養し、お互いの培養上清刺激により誘導される活性化ミクログリおよび反応性アストロサイトについて、遺伝子発現プロファイリングを行い、治療候補となる遺伝子のスクリーニングを行う。その後、候補遺伝子を我々がこれまでに同定したミクログリアまたはアストロサイト特異的結合ペプチドを用いて、細胞特異的な遺伝子輸送を検証し、治療遺伝子と標的化ペプチドの複合体をALSモデル動物に投与することで、グリア間ネットワークを制御することによる遺伝子治療法の確立を行う。
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研究成果の概要 |
ALSモデルマウス由来初代培養アストロサイトおよびミクログリアにて、M1ミクログリア由来IL-1βによる反応性アストロサイトの誘導および、反応性アストロサイト由来TGF-βによるM1ミクログリアの誘導が起こりやすい状態にあることがわかり、ALSマウスにおけるグリア細胞間の相互作用が治療標的となると考えられた。そこで、ALSモデルマウスを用いて、ミクログリア標的化siRNA-IL1βを髄腔内に投与することによる治療実験を行ったところ、運動機能検査および生存曲線の改善を認め、ミクログリアを標的とした細胞特異的な遺伝子発現抑制による新たな分子治療法となる可能性が示唆され、今後の臨床応用が期待された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ALSにおいて、確立された根治療法はなく、治療法開発が急務である。近年、アストロサイトとミクログリアは病態への関与が大変注目されているが、両者の相互間作用を考慮した分子治療は報告がなく、グリア間ネットワークを解明して制御することは、有効性の高い治療法開発に結び付くと考えられる。そのため、本研究にてグリア間ネットワークの解明およびMolecular ZIP codeによるsmall RNAの細胞特異的標的化輸送によって、治療効果を示したことは意義深く、他の神経変性疾患への汎用性も含め、難病への核酸医薬による治療効率を飛躍的に向上させる技術となることが期待され、社会的意義は大きい。
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