研究課題/領域番号 |
21K07416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
清水 文崇 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90535254)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経免疫 / 血液脳関門 / 血液神経関門 / 自己免疫性神経筋疾患 / 血液筋関門 / 自己免疫性ニューロパチー / MAGニューロパチー / 自己抗体 / 自己免疫性神経疾患 / 新規抗体製剤開発 / 細胞モデル |
研究開始時の研究の概要 |
神経組織では血液脳関門や血液神経関門などのバリアーが存在し,脳や末梢神経を保護している.自己免疫性神経疾患では,血液脳関門/血液神経関門の破綻が病気の進展に関わる.本研究では私達が樹立したヒト血液脳関門/血液神経関門から成る全ての細胞株を用いて,新たな血液脳関門/血液神経関門細胞モデルを構築し,自己免疫性神経疾患の血液脳関門/血液神経関門破綻メカニズムを解明し,新しい治療法開発を目指す.
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研究成果の概要 |
我々が樹立したヒト血液脳関門(BBB)内皮細胞株と血液神経関門(BNB)内皮細胞株,自己免疫性神経疾患血清とIgGを用いた。MOG抗体関連疾患患者IgGからBBB破綻を引き起こすGRP78抗体を同定し,GRP78抗体がNF-κBシグナルを介してBBB透過性増加,接着因子発現増加,酸化ストレス増加を誘導することを示した.MAGニューロパチーでは,患者血清によりBNB内皮細胞からのTNF-α発現増加が認められ,腓腹神経生検標本ではBNB血管のTNF-α発現増加,内皮細胞の多数の小胞が確認された.TNF-αを介した小胞介在性トランスサイトーシスの機序でMAG抗体がBNBを通過することが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々はこれまでに視神経脊髄炎関連疾患の血液脳関門破綻をきたす自己抗体GRP78抗体を同定し,その臨床的意義を明らかとしたが,本研究ではMOG抗体関連疾患での血液脳関門破綻をきたす新規自己抗体としてGRP78抗体の役割が明確となった.今後,GRP78モノクローナル抗体を作製し,BBBを操作する薬剤候補となりうるかを検討していきたい.MAG抗体はIgM抗体であるが,高分子の抗体がTNF-αにより誘導され小胞を介してBNBを貫通すること明らかとしたことは,高分子を貫通させる新たなドラッグデリバリーという観点から意義が高い.小胞介在性機序を利用した血液神経関門通過の詳細な分子機序を解明していきたい.
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