研究課題/領域番号 |
21K07436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松股 美穂 (酒寄美穂) 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (50595460)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | カレハ島 / 嗅結節 / 側座核 / 意欲 / うつ病 / アンヘドニア / 側坐核 |
研究開始時の研究の概要 |
カレハ島(Island of Calleja; ICj)は嗅皮質である嗅結節(OT)内に、吻側から尾側、内側部 から外側部へ向かって左右に浮島状に並ぶ細胞集団群である。本研究では、ICjから側坐核(NAc)への直接的あるいは間接的な制御を想定し、NAcが関わるとされる「意欲」や「喜び」といった情動に対するICjの役割を明らかにしたい。またこれを踏まえ、うつ病モデルマウスを使用して抑うつ 傾向の軽減あるいは改善を試み、うつ病患者への介入による病状改善の可能性を探る。
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研究成果の概要 |
カレハ島(Island of Calleja; ICj)は嗅皮質である嗅結節腹側部に、吻側から尾側、内側部から外側部へ向かって左右に浮島状に並ぶ細胞集団群であるが、マウスでは島の個数や大きさに個体差が大きくまた深さのために物理的介入が難しかった。我々はカレハ島で特異的にCreを発現するマウスを用いて、組織学的解析やICj活性化による行動の変化を確認した。ICjは大部分がGABA作動性の顆粒細胞であるが、その辺縁部にはアセチルコリン作動性神経及び一酸化窒素作動性神経細胞が局在していた。また、光遺伝学的手法を用いたICj顆粒細胞の活性化では、即時型場所嗜好性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ICjはげっ歯類では腹側表面に一部が露呈しており目立つこともあって、古くから注目を浴び当時から研究は行われていた。しかし一方で個体差が激しく、また脳底へのアクセスの難しさからなかなか理解が進まず、役割についてもわかっていなかった。今回、ICjが関与すると思われるいくつかの行動の変異がマウス個体を用いた実験から明らかとなり、すでに知られていた神経基盤に加えてICjが新たな寄与神経核であることがわかった。本研究は抑うつ状態の中心症状である意欲や気力の減衰、アンヘドニアの神経基盤の理解を目指して立案しており、治療介入手法の選択肢を増やすという意味でも社会的意義があると考えられる。
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