研究課題/領域番号 |
21K07442
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
田中 亮太 自治医科大学, 医学部, 教授 (40407284)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | MAIT / 自然リンパ球 / 脳梗塞急性期 / 炎症性サイトカイン / IL-17 / MAIT細胞 / neuroinflammation |
研究開始時の研究の概要 |
我々は自然リンパ球のMAIT(Mucosal-Associated Invariant T Cells)細胞の役割についてマウス脳梗塞モデルを用いて解析し、MAIT細胞制御が脳梗塞急性期の炎症を抑制し、新たな脳保護治療のターゲットとなることを報告してきた(JAHA 2021)。本研究ではヒトの脳梗塞急性期におけるMAIT細胞の関与を明らかにし、MAIT細胞制御を標的とした新規の治療薬開発を目指し、その基盤となるデータを構築していく。
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研究実績の概要 |
本年度はコントロール、軽症脳梗塞(小梗塞)、重症脳梗塞(大梗塞)のそれぞれの症例から同意を取得し、血液サンプルを収集し解析を進めた。これまでにコントロール群17例、軽症脳梗塞20例、重症脳梗塞14例を登録した。脳梗塞急性期(約3日目)の末梢血MAIT細胞の比率はコントロールに比し重症例で減少していた (コントロール群 0.59±0.75% vs 軽症群 0.59±0.59%, 重症群 0.11±0.06%)。その後は2週目、3週目にかけてMAIT細胞は徐々に増加した。活性化したCD69陽性MAIT細胞は脳梗塞急性期で増加示しているが、特に2週目、3週目でコントロールに比し有意に上昇していた(コントール群 20.1% vs 27.1% for 1wk vs 38.0% for 2wks vs 38.1% for 3wks)。炎症性サイトカインのIL-17を産生するMAIT細胞はコントロールに比し、重症例で有意に上昇していた (コントロール群 0.80±0.60%, 軽症群 1.50±1.86%, 重症群 2.11±2.32%)。一方軽症例ではコントロールに比し有意な差は認められなかった。MAIT細胞以外の自然リンパ球であるγδT細胞とiNKT細胞については、コントロールと比して数の増減は目立たず、活性化やIL17産生能とも有意な差は認めなかった。 自然リンパ球のうち末梢血MAIT細胞は特に重症例(大梗塞)で急性期に減少し、活性化マーカーを発現し、IL-17産生能が亢進していた。脳梗塞急性期、特に重症脳梗塞の病態にMAIT細胞が大きく影響していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は順調に解析を進めることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
各群の登録目標症例数を目指し、確実に症例登録できるようしていく。また、自然リンパ球と同時に採血した検体を用いて、血清サイトカインを測定しMAIT細胞の活性化との相関を解析していく。最終的には臨床情報と照らし合わせ、脳梗塞急性期の病態におけるMAIT細胞の役割を明らかにしていく予定。
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