研究課題/領域番号 |
21K07446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
武藤 多津郎 藤田医科大学, 大学病院, 特命教授 (60190857)
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研究分担者 |
中嶋 和紀 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 准教授 (10442998)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経炎症 / 蛋白異常凝集 / 情報伝達 / 神経細胞死 / 抗-中性糖脂質抗体 / 蛋白修飾 / セラミド合成酵素 / 脂肪酸鎖 / 糖脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
人体内では、恒常性が保たれている筈の糖脂質含量の異常な増減とそれに伴う自然・獲得免疫系の異常活性化が種々神経変性疾患で如何に起きているかを追求するのが本研究の目的である.同時に、これら脂質・糖脂質異常が各疾患で問題となるアミロイド蛋白、タウ蛋白、α-synucleinといった病因関連蛋白及び種々の受容体蛋白を如何に異常な翻訳後修飾をもたらすかも同時に詳細に調べ、糖脂質による異常な蛋白修飾が細胞内外への蛋白の異常凝集へと翻訳され得るのかについても詳細な知見を得る事が出来る.事実、ALS患者脊髄では糖脂質が異常に増加していることが、ごく最近報告されている.
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研究成果の概要 |
本研究で、EMRN患者髄液での疾患特異的脂質代謝異常と免疫学的異常のSignatureを明らかにし、Innate immunityの異常活性化が病態発現に深く関与している可能性を解明した.又、EMRN患者試料中に見出される抗-lactosylceramide (LacCer) 抗体などの抗中性糖脂質抗体は、神経保護的神経栄養因子受容体のリガンドに対する反応性を抑制し、神経保護作用を抑制する事が解明した.一方、本抗体はアストロサイトの持つastrocyte-neuron lactate shuttleを通した神経保護効果を減弱させた.この事実も又抗体の持つ神経障害的作用の一端を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで余り研究されて来なかった糖脂質特にラクトシルセラミドなどの中性糖脂質が脳脊髄根末梢神経炎などの神経炎症性疾患発生のシグナルトランジューサ―の機能を有する事、又全身でのinnate immunityの異常活性化が惹起される事を明確にした.こうした新知見は、抗innate immunity療法などの新規治療法がこれら神経炎症性疾患の試すべき治療法である事を明確にした点で、意義深い.又、抗中性糖脂質抗体の免疫的細胞生物学的役割の新たな側面を解明した点でブレークスルー的な成果を挙げた.
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