研究課題/領域番号 |
21K07455
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
徳武 孝允 新潟大学, 医歯学総合病院, 客員研究員 (00707838)
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研究分担者 |
池内 健 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20372469)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多系統萎縮症 / バイオマーカー / 脳脊髄液 / 血液 |
研究開始時の研究の概要 |
多系統萎縮症に対する疾患修飾薬の開発が進められているが、治療介入効果が期待される発症早期での診断を可能にするバイオマーカーは確立されていない。そのため病態進行を鋭敏に反映するバイオマーカーを確立することが喫緊の課題となっている。本研究では、多系統萎縮症における3つの病態:①α-シヌクレイン沈着、②オリゴデンドログリア障害、③神経変性に着目し、それぞれの病態を反映するバイオマーカーを検討し、多系統萎縮症に対する包括的なバイオマーカーの確立を目指す。
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研究実績の概要 |
多系統萎縮症は、α-シヌクレインからなる封入体(グリア細胞質内封入体)のオリゴデンドログリアにおける形成を特徴とする。発症早期での診断技術を確立し、病態進行を鋭敏に反映するバイオマーカーを確立することが喫緊の課題である。本研究では、多系統萎縮症における3つの病態:①α-シヌクレイン沈着、②オリゴデンドログリア障害、③神経変性に着目し、それぞれの病態を反映するバイオマーカーを確立することを目指している。 本年度は、多系統萎縮症患者で、神経変性マーカーである脳脊髄液NfLの解析や運動症状、症状進行との相関などについて検討を行った。多系統萎縮症患者において、脳脊髄液NfLの高値は運動症状の進行速度と相関することが示された。またオリゴデンドログリア前駆細胞の特異的マーカーであるNG2の解析も行い、正常対照と比較して多系統萎縮症患者において有意に高値であることも示された。またNfL,NG2に加えて、既存の脳脊髄液バイオマーカーと運動症状、認知機能症状との相関についても解析を行った。その結果を、Tokutake T, et al. Clinical correlations of cerebrospinal fluid biomarkers including neuron-glia 2 and neurofilament light chain in patients with multiple system atrophy. Parkinsonism Relat Disord. 102:30-35, 2022としてとして論文発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載した予定にほぼ沿った形で研究が進行しているため
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今後の研究の推進方策 |
2022年での検討で、多系統萎縮症患者において正常対照と比較して、オリゴデンドログリア前駆細胞の特異的マーカーであるNG2が有意に高値であることが示された。また脳脊髄液NfLと運動症状の進行速度が相関することを示し、そのほかの既存のバイオマーカーとの相関なども示し2022年に論文発表を行った。今後、脳脊髄液NfLの検討と並行して、血液中のNfLの測定を検討を行う予定である。またNG2以外のオリゴデンドログリア・オリゴデンドログリア前駆細胞の特異的マーカーの検討を引き続き行っていく。それに加えて、α-シヌクレインオリゴマーなどのα-シヌクレイン関連分子の測定系の確立を目指していく。多系統萎縮症の3つの病態をそれぞれ反映するバイオマーカーの検索を引き続き行い、発症早期から病理変化を反映し,病態進行を鋭敏に反映するバイオマーカーの確立を目指す。
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