研究課題/領域番号 |
21K07459
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
糸数 隆秀 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任教授(常勤) (60750015)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 神経回路再編成 / 神経可塑性 / 脊髄損傷 / 機能回復 / 中枢神経損傷 / グリア細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経損傷による神経機能障害に対し、傷ついた神経回路の再構築を促すことで失われた機能を回復させようとする試みは未だ研究途上であり、損傷後の中枢神経組織が神経回路再編成に対して阻害的な環境であることが障害となっている。本研究課題では、中枢神経系の損傷後に、種々の細胞が損傷を契機として増殖・遊走して病変部に集積する現象に着目し、これらの遊走細胞が協働して「神経回路再編成に許容的な場」を形成しており、この現象を促進することで生体の持つ修復機構を最大限に引き出すような新たな治療戦略が提案できると考え、そのメカニズムを明らかにすることを目指して検討を行う。
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研究成果の概要 |
中枢神経損傷後の神経機能回復を促進するような新規メカニズムの解明を目指し、損傷を契機として病変部に集積する細胞群が協働して「神経回路再編成に許容的な場」を形成するとの仮説のもと研究を行った。脊髄損傷・脊髄炎の動物モデルを用いて脊髄中心管をとりまく上衣細胞、及び脊髄後根に存在する修復シュワン細胞につき解析したところ、これら細胞は増殖・遊走し、損傷部位に集積した。両細胞それぞれについてその増殖・遊走に関与する分子メカニズムを複数同定し、実際にこれら分子への介入試験を行ったところ、神経回路の再編成が促され、さらに神経機能予後も改善することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、上衣細胞やシュワン細胞といった中枢神経の辺縁に存在する細胞が中枢神経損傷に応答して増殖し、障害部位に集積すること、また同部位で神経栄養因子の分泌等を介して神経再生にとって有利な中枢環境を構築し、神経機能回復に寄与することを見出した。さらに同現象を促進可能な分子標的を見出すことが出来た。本知見は、神経機能再生治療に新たな選択肢を与えるものである。
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