研究課題/領域番号 |
21K07553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
小林 伸行 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (20385321)
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研究分担者 |
品川 俊一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90459628)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 軽度認知障害 / DNAメチル化 / COASY / エネルギー代謝 / エピジェネティクス / バイオマーカー / 認知症 / 単純ヘルペスウイルス1型 / VP26 / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
加齢や環境因子によって、DNAメチル化が生じ、アルツハイマー病 (AD)を始めとした加齢性疾患の発症に関わることが示唆される。申請者らはADで健常高齢者よりも、エネルギー代謝に関連するCOASY遺伝子のDNAメチル化量が高いことを報告した。しかし、これらが生じる原因や神経変性を引き起こす機序は明らかではない。そこで、ADの発症にヘルペスウイルス感染が関わると報告されていることに着目し、本研究では、エピゲノム異常の原因として、ヘルペスウイルス感染の関与と、エピゲノム異常が神経変性へ影響する可能性について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究はアルツハイマー病 (AD)でDNAメチル化量が変化している機序を明らかにすることを主な目的としている。最終年度である令和5年度では、今まで採取した血液臨床サンプルの解析を主に行った。 慶應義塾大学精神医学教室との共同研究で、荒川区の65歳以上の高齢者 (n=1048)を対象に、methylation-sensitive high-resolution melting (MS-HRM)法によって、COASY DNAメチル化量の測定を行った。その結果、これらのうち、軽度認知障害 (MCI)と診断された被験者は非認知症高齢者と判定された被験者と比較して、COASY DNAメチル化量が有意に高いことが明らかとなった。これは以前に報告した内容を再現するものであり、COASY DNAメチル化量の変化はアルツハイマー病の発症に影響を与えることが示唆された。さらに、 COASY DNAメチル化量は年齢や性別の影響を受けることを明らかにした。 また、MS-HRM法によるDNAメチル化量の測定では、特定のCpG部位を同定できていなかった。そこで、パイロシーケンス法によって、DNAメチル化測定を行い、アルツハイマー病で有意に変化するCOASY遺伝子プロモーター領域に存在する単一のCpGを同定した。これによって、リアルタイムPCRによるDNAメチル化測定が可能となった。さらに、同CpGをデジタルPCRによって定量することで感度の向上を見込めることが明らかとなった。
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