研究課題/領域番号 |
21K07586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
杉森 博行 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (20711899)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 虚血性脳血管障害 / 人工知能 / 医療AI / Radiomics / 脳虚血性病変 / 予後予測 / MedicalAI |
研究開始時の研究の概要 |
脳虚血性病変の発症から診断に至るまでのプロセスと診断から治療や予後の関係は複雑であり、単に過去画像を収集解析するだけでは予後予測とならず複合的な過去データ解析が必要となるため、本研究では脳虚血性病変において蓄積された画像を中心とした医療ビッグデータを用いて病変のパターン認識およびRadiomics解析を用いた巨視的な形態・機能構造を示す特徴量に基づく経時的な解析を行う。本研究は「人工知能(AI)によるパターン認識」と「Radiomics解析による高次元特徴量からの解析」を融合した、新たな予後予測方法を開発することを目的し研究に取り組む。
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研究実績の概要 |
虚血性脳血管障害における画像データに対し人工知能技術を用いて検出しRadiomics解析による高次元特徴量を複合した予後予測を行うという目的において、当該年度も昨年度に引き続き「脳虚血病変検出処理方法の確立」と「機械学習エンジン構築手法の確立」に取り組んだ。当該年度は特に画像学習において精度向上のために手法の開発と教師画像に対する検討について病変領域の特定方法について重点的に実施した。 深層学習における画像学習は、与える教師画像の特徴が効率よく画像特徴量として抽出されなければならないため、複数断面ある脳画像において脳虚血病変がどの位置に発現していても、拡散強調画像やFLAIR画像など一般的に脳梗塞領域検出や経過観察において重要な役割を果たす画像種によらず脳梗塞領域を精度よく検出できるセマンティックセグメンテーションの手法の開発を行った。次に今後の画像特徴量から得られた情報を基に行う予後予測という点で、深層学習を用いた回帰について検討を行った。脳形態と実年齢から入力画像に基づく実年齢の予測において手法を確立し、ある画像特徴量を基に推定を行うアルゴリズムの調整と評価を行った。開発したアルゴリズムをRadiomics特徴量からの予後予測に適用しその精度を評価する。 高精度化された人工知能技術による脳虚血領域検出はRadiomics解析に必要であるため、精度良く抽出できるアルゴリズムを開発したこと、深層学習における回帰手法を実装したことにより、最終目的である経時的データ解析における変化量の抽出と解析・評価における準備が整った。次年度前半で経時的解析と評価を行い当初目標である予後予測の評価を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳虚血病変における人工知能技術を用いた脳虚血領域の検出および予後予測において、深層学習を用いた回帰手法を確立したことにより、脳虚血病変の検出に加え、予後予測に必要なアルゴリズムの構築が可能となった。Radiomics解析を併用した予後予測に対する準備が整ったため、当該年度の目的はおおよそ達成された。
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今後の研究の推進方策 |
脳虚血病変の予後予測に関しては、引き続き学習画像データ数を増やすとともにRadiomics解析を進めていく。経時的変化の予測に関しては、画像特徴量の経時的変化と相関のあるパラメータを抽出して、虚血性脳血管障害発症からの変化におけるデータ解析を進める。人工知能ならびに機械学習エンジンの機能検証の一部として、フィードバックができるシステムの構築も行いシステム全体の構築を図る。また、脳虚血病変に対する、発症時期や治療方法別での予後予測も取り入れ予後の違いも予測できる仕組みについても検討する。
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