研究課題/領域番号 |
21K07636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
野口 智幸 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 放射線部長 (40380448)
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研究分担者 |
松下 由実 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 臨床研究センター, 臨床研究統括部 室長 (50450599)
志多 由孝 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, センター病院, 放射線診療部門・放射線管理室医長 (50774668)
山下 孝二 九州大学, 医学研究院, 助教 (80546565)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 深層学習 / 人工知能 / 医用画像 / 画像診断 / 医用画像用部位分類 / 虫垂炎 / AI |
研究開始時の研究の概要 |
自律的に学習・判断を行う「深層学習型AI」は、画像判定について飛躍的な発展を遂げている。その反面、AIの基礎知見について体系的に研究・検証されないまま、AI実装システムの製品化が先行している。こうした実用先行型開発は、間違った判定によるシステムエラーに対し脆弱である。このリスクを避けるためAI判定プロセスを理解する基盤的研究が不可欠であると考えている。本研究では①学習データキュレーションの研究、②AI-CAD性能適正検証法の研究、③医療側の立場からAI-CAD開発を支援できる医療系AIジェネラリスト従事者の育成、を推進する。
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研究実績の概要 |
人間が行う「知的判断」を、コンピュータが行うAI技術が注目を集めて久しい。特に、自律的に学習・判断を行う「深層学習型AI」は、画像判定について飛躍的な発展を遂げている。その反面、AIによる判定プロセスは「ブラックボックス」とされ、AIの基礎知見について体系的に研究・検証されないまま、AI実装システムの製品化が先行している。こうした実用先行型開発は、間違った判定によるシステムエラーに対し脆弱である。このリスクを避けるためにはAI判定プロセスを理解する基盤的研究が不可欠であると考えている。本基礎研究では①医用画像など医療情報の収集・選別・調整等を行う学習データキュレーションの研究、②AI-CADについて客観的かつ効率的に実施可能な性能適正検証法の研究、③AI-CAD開発技術者との共同研究を仲介しつつ、医療側の立場からAI-CAD開発を支援できる医療系AIジェネラリスト従事者の育成、を推進する。初年度には①学習データキュレーション研究として、我々は、学習データに潜在する不整合データを取り除く方法として、最大98%の不整合データ除去するREDAKTO(リダクト)法を考案した。②AI-CAD性能の適正な検証法研究として、我々は、10分割交差検定法に統計学的手法を取り入れ、時間コストを低減しつつ検証精度を担保するG-Epoc法を考案した。③医療系AIジェネラリストの育成として、①②の研究を若手研究員と共働で解析し、(1) 導入すべき医療領域の優先順位、(2) 資金量や設備、 (3) 開発メンバー構成と役割、(4) 開発手順や導入手法、(5)リスク管理、について理解し、具体的な施策を講ずる過程を経験させた。次年度には①として、不整合データの根本原因である医用画像用の身体部位分類の標準化について研究を推進した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究での初年度の成果として①医用画像など医療情報の収集・選別・調整等を行う学習データキュレーションの研究 の分野での発展が得られた。すなわち、深層学習や他の機械学習プログラムを用いたコンピュータ支援画像診断システム開発において、開発に用いられる学習用画像データの品質保証は必須の課題である。すなわち学習データに潜在する不整合データはできるだけ取り除くことが要求される。その方法として、最大98%の不整合データ除去するREDAKTO(リダクト)法を考案した。REDAKTO法はK分割交差検定法(K-CV)を応用したデータ処理で、K-CVでの「不正解」と判定されたデータを取り除くことによってエラーデータを除去する方法である。REDAKTO法の特性を解析するとエラー率が低い大きなデータセットでより高率にエラーデータが抽出できるメリットがあることが分かった。また副次的な成果として、虫垂炎あり/なしCT画像での深層学習プログラムでの判定精度は、500ペア1000画像で87%、20,000ペア40,000画像で98%の精度を示し、その関係性から精度向上には指数関数的に画像データ数の増加を要することが明らかになった。これについて、日本医学放射線学会2021年総会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
深層学習や他の機械学習プログラムを用いたコンピュータ支援画像診断システム開発において、開発に用いられる学習用画像データの品質保証は必須の課題である。すなわち学習データに潜在する不整合データはできるだけ取り除くことが要求される。その方法として、最大98%の不整合データ除去するREDAKTO(リダクト)法を考案した。REDAKTO法はK分割交差検定法(K-CV)を応用したデータ処理で、K-CVでの「不正解」と判定されたデータを取り除くことによってエラーデータを除去する方法である。REDAKTO法の特性を解析するとエラー率が低い大きなデータセットでより高率にエラーデータが抽出できるメリットがあることが分かった。これについて、日本医学放射線学会2021年総会で発表した。 医用画像における身体部位の分類については、コンセンサスがなく、混乱している。 例えば、撮影部位が「頭部」と指定されたCTが、実際には頭部~下肢までスキャンされていることがよくある。また身体部位名称が施設毎に異なり、混乱している。 例えば、【頭】vs【脳】、【頭頸部】 vs. 【顔面頚部】、【胸部】vs.【肺部】、【腹部】vs【腹骨盤】などばらばらである。AI画像認識機能を使えば、既存の画像データを分類整理しなおすことが可能かもしれないが、身体部位分類の名称が混乱している現状では、それ自体がナンセンスである。そこで、我々は、人体解剖用語の国際標準であるTerminologia Anatomica(TA)をベースに再編成した局所器官分類 (ROC)を提案した。ROC は身体部位分類の標準化の基礎となると考えられた。これについて、日本医学放射線学会2023年総会で発表した。
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