研究課題/領域番号 |
21K07656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
古徳 純一 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (70450195)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 人工知能 / 医療AI / 説明可能性 / 放射線診断 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,説明可能な医療AIのための数理モデルの開発である.医療AIの精度の近年の向上には目を見張るものがあるが,現実の医療現場には今ひとつ浸透していないのが現状である.大きな障害となっているのは,医師が画像を含む医療AIの判断を納得して自らの判断に取り込むことができないということであろう.医師をはじめとする医療スタッフが医療AIを道具として医療を進めるためには,説明可能性は必須の事項である. 本研究では,医用画像などから診断根拠を提示できる診断技術の開発を行い,医療現場で医師が安心して判断の根拠の一つとして使えるような,説明可能性の技術の開発を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,説明可能な医療AIのための数理モデルの開発である.医療AIの精度の近年の向上には目を見張るものがあるが,現実の医療現場には今ひとつ浸透していないのが現状である.大きな障害となっているのは,画像を含む医療AIの判断を,納得して自らの判断に取り込むことができないということであろう.医師をはじめとする医療スタッフが医療AIを道具として医療を進めるためには,説明可能性は必須の事項である.本研究では,1. 医用画像から診断根拠を提示できる診断技術の開発 2.医療データをもとに因果関係を自動的に構築する数理モデルの開発 3. 応用例としての心不全患者の診断根拠の可視化を行い,医療現場で医師が安心して判断の根拠の一つとして使えるような,説明可能性の技術の開発を目指す. 1)医用画像から診断根拠を提示できる診断技術の開発 医用画像からディープラーニングを用いて判断する際に,判断の根拠領域を事前にインプットする方法について特許出願中である.また,手法の原理とパフォーマンスについて記述した論文が受理された. 2)医療データをもとに因果関係を自動的に構築する数理モデルの開発 大阪府の国民健康保険のデータを用いて,3年以内の生活習慣病の発症について予測する際に使用するモデルについて疫学で伝統的に使われているロジスティック回帰モデルよりも,大規模なデータであれば機械学習のモデルの方が良い予測ができることを示した.3)についても順調に開発が続いており,2023年度に関連論文のプレスリリースを行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)現在のディープラーニングを利用した画像診断において,判断の根拠の可視化の標準的な方法とされているGradCAMなどを使用すると,診断そのものは正しくても,しばしば専門家から見ると見当違いの場所を根拠にしていることがあり,臨床応用のためには,もっともらしい判断根拠を提示する必要がある.そこで,判断根拠として専門家の知見を事前にインプットできる方法の開発を行い,特許を出願中である.また,その手法の原理とパフォーマンスについて記述した論文が受理された. 2)大阪府の国民健康保険のデータを用いて,3年以内の生活習慣病の発症について予測する手法のパフォーマンスについて検討した論文を発表した. 3)心不全患者への応用についての論文が受理された.また実用化に向けて検討を行っている.
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今後の研究の推進方策 |
現在まで得られた結果について,論文にまとめて出版する予定である. 今後は,画像の判断根拠となる部分を指摘する技術の内容について,学会発表や論文発表を行う予定である.また,適切な保健指導を行うための前向き研究の準備を大阪大学と共同で進めている.
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