研究課題/領域番号 |
21K07748
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川田 潤一 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (20532831)
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研究分担者 |
伊藤 嘉規 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (20373491)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 微生物叢 / 次世代シーケンス / シングルセルシーケンス / 呼吸器感染症 / 重症感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルスによる気道感染症は時に重症化するが、その機序は十分に解明されていない。ウイルス性肺炎の重症化の機序解明するために、「ウイルス感染と肺の微生物叢」および「ウイルスに対する過剰な免疫応答」の2点に着目して解析を行う。小児重症肺炎患者の気管支肺胞洗浄液を次世代シーケンサーで解析し微生物叢解析を行う。肺炎の重症度/予後と肺の微生物叢/重複感染との関係を明らかにしたい。また、気管支肺胞洗浄液や末梢血単核球のシングルセル遺伝子発現解析を行い、重症肺炎で活性化している免疫細胞集団の同定や、遺伝子発現プロファイル等の評価を行う。重症化に関与する宿主応答の解明は、新規治療標的への応用が期待される。
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研究成果の概要 |
間質性肺炎の急性呼吸不全患者とサルコイドーシスの気管支の細菌叢を比較したところ、病原微生物構造の類似性(β多様度)の違いが観察された。また、肺の微生物叢の解析におけるロングリードシーケンス(ナノポアシーケンス)の有用性を検証したところ、ショートリードシーケンスと同様の結果が得られた。 また、小児のEBV感染症患者(EBV-IMおよびEBV-HLH)の末梢血でシングルセルシーケンスを行った。EBV-IMでは、特徴的な細胞集団が確認された。重症病態であるEBV-HLHでは、インタフェロンシグナルに関連した遺伝子群の高発現は観察された。シングルセルシーケンスは感染症の重症化機序の解析に有用であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、重症呼吸不全患者の気管支肺胞洗浄液を用いて肺の微生物叢を解析した。重症呼吸不全患者では常在菌の減少が観察され、重症化への関与が示唆された。また、肺の微生物叢の解析に、新規のNGSNの手法であるロングリードシーケンスの手法が応用可能であることを示した。肺の微生物叢には不明な点が多いが、本研究を通じて、その意義や解析手法に関して新たな知見を得ることができた。 また、重症感染症患者の臨床検体でシングルセル解析を行うことで、疾患に特異的な細胞集団や、その遺伝子発現の特徴を明らかにした。本研究では小児重症感染症の病態解析にシングルセル解析の有用性を示すことができ、今後の発展が期待される。
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