研究課題/領域番号 |
21K07759
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
今村 俊彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30444996)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ALL / AML / 分子標的薬 / レトロウイルス / NUP98::NSD1 / SPAG9::JAK2 / ETV6::FRK / 白血病 / Ph-like ALL / チロシンキナーゼ / 融合遺伝子 / Pre-clinical model / PDX |
研究開始時の研究の概要 |
小児難治性白血病の発症に密接にかかわる「白血病特異的融合遺伝子」をdoxycycline制御下で発現調節が可能な細胞株を作成し、融合遺伝子の発現により起こる遺伝子発現の変化を網羅的に解析する事により、「白血病特異的融合遺伝子」が引き起こす遺伝子発現や細胞内シグナルの変化を明らかにし、融合遺伝子発現細胞株の細胞死を誘導する事が可能な低分子化合物を同定し、in vitroおよび患者由来白血病細胞を移植した免疫不全マウス(Patient derived xenograft, PDX)を用いて、in vivoでの有効性を明らかにして臨床応用へのProof of Concept(POC)を得る。
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研究実績の概要 |
高リスクB-ALL患者より同定したSPAG9::JAK2融合遺伝子をdoxycycline依存性に発現するBa/F3細胞を作成し、STAT1の恒常的リン酸化が、SPAG9::JAK2の細胞増殖活性に重要である事を明らかにし、BCL2およびMCL1阻害剤がJAK2阻害剤と相乗的に作用し、SPAG9::JAK2の細胞増殖活性を抑制する事をin vitroで証明した(Mayumi A, Imamura T. Cancer Gene Ther 2022 doi: 10.1038/s41417-022-00511-z) 。 また、高リスクB-ALL患者より同定したETV6::FRK融合遺伝子を、doxycycline依存性に発現するBa/F3細胞を作成し、細胞増殖活性にSTAT1, STAT3, STAT5の恒常的リン酸化が関係する事を明らかにし、dasatinibがETV6::FRKを導入したBa/F3細胞の増殖を抑制する事を、in vitroおよびin vivoの実験系で証明した(Mayumi A, Imamura T, et al. eJHeam 2023 DOI: 10.1002/jha2.701)。 さらに、難治性AMLの発症と関連するNUP98::NSD1融合遺伝子の機能解析のため、恒常的にNup98::Nsd1を発現する32D細胞を作成し、作成した細胞の発現アレイ解析や表面マーカー解析を行い、Nup98::Nsd1が32D細胞のCD123(IL3RA)の発現を誘導し、IL-3存在下での細胞増殖活性が上昇する事を明らかにし、標的治療の可能性を示した(Okamoto K, Imamura T, et al. Int J Hematol 2023 in press) 。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
B-ALLで同定したSPAG9::JAK2, ETV6::FRK、および難治性AMLに関連するNup98::Nsd1について、Ba/F3細胞および32D細胞に上記遺伝子を導入し、安定発現細胞株を樹立し、遺伝子発現の変化を網羅的に解析する事ができた。また、SPAG9::JAK2, ETV6::FRKについては、その増殖活性を押さえる事が可能な分子標的薬を複数同定し、その有効性をin vitroならびにin vivoで確認する事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究テーマとして掲げている難治性AMLの発症に関連するFUS::ERGについて解析を進める予定である。
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