研究課題
基盤研究(C)
胎児死亡の原因となりえる胎児のQT延長症候群(LQTS)の早期診断法を確立することが本研究の目的である。非侵襲的な検査である胎児心臓超音波検査、母体採血により胎児LQTSが診断できるかを検討する。胎児心磁図でのQT間隔と心臓超音波検査所見の関係を明らかにし、母体血中のCell free fetal DNAを用いた遺伝子診断の可能性を明らかにする。新規診断法により遺伝子型確定も含めて胎児LQTSを診断することで、有効な胎児治療の選択が可能となり、胎児LQTSの予後改善に貢献できる。
胎児QT延長症候群の早期診断法を確立するための研究を行った。QT延長症候群の母体の胎児33例を対象として胎児心磁図を記録し、それに引き続く早期新生児期は26例の新生児を対象として心電図を連日記録し、QT間隔を計測しその特徴を検討した。また、胎児心エコーでQT延長を診断するため、パルスドプラ法、Speckle tracking法を用いたパラメータの基礎的なデータの検討を行った。今回の検討において、胎児~早期新生児期では、日齢1の心電図でQT延長が最も顕在化しやすいことが示唆された。胎児心エコーでの診断法についての有効性を示すことはできなかったが、今後も、症例を集積し検討していく予定である。
先天性QT延長症候群は代表的な遺伝性不整脈で、一部では胎児期に発症し致死的な経過をとるが、臨床経過、心電学的な特徴は未だ不明な点が多い。有効な胎児治療を行うために、正確な診断が必要だが、胎児においては通常の心電図を用いることができず、診断自体が難しい。胎児心磁図による診断が行われているが、使用できる施設は限られている。そのため、より一般的に普及している医療機器での診断法の開発が期待されている。胎児~新生児期の特徴を明らかにし、心エコーなどで診断ができるようになれば、致死的な胎児・新生児発症の先天性QT延長症候群の予後を改善に貢献できる。
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