研究課題/領域番号 |
21K07846
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
馬場 伸育 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (30711296)
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研究分担者 |
沈 淵 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 講師 (50294830)
王 飛霏 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (10629033)
山下 竜幸 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (30571038)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 臍帯血 / 脳性麻痺 / 再生医療 / 分泌因子 / 制御性機能 / 情報伝達物質 |
研究開始時の研究の概要 |
脳性麻痺に対する根本的な治療法はなく、臍帯血を用いた新たな再生医療に期待が寄せられている。本研究では臍帯血細胞が発揮する制御性の機能に着目して、臍帯血細胞の特徴を詳細に解析する。すなわち、 1. 傷害部位に選択的に集積する移植細胞の表現型を精査して細胞種を特定する。 2. その特定の移植細胞種の特徴や機能を評価して、組織修復に関与する作用を解明する。 この研究アプローチから組織損傷により引き起こされる炎症の制御や、幹細胞や前駆細胞の遊走、増殖、分化を制御する機構を明らかにし、脳障害に対する臍帯血移植による再生医療の治癒メカニズムを解明して、臍帯血細胞の制御能を生かす新規治療戦略の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
脳性麻痺に対する臍帯血移植治療において、移植された臍帯血細胞は傷害を負った脳組織といかに関わるのか、より詳細に検討するアプローチとして、臍帯血に含まれる全体の単核細胞と、分離精製が可能である臍帯血の特定の細胞分画に注目して、傷害を受けたマウス脳組織検体を用いて刺激培養した際のヒト臍帯血各種細胞の反応や機能のin vitro評価を試みた。 すなわち、ヒト臍帯血単核球細胞から、磁気細胞分離法によりCD34陽性細胞、CD14陽性細胞、CD45陰性細胞を分離濃縮して、マウス新生仔脳虚血再灌流障害モデルの脳組織から抽出したtissue lysateを加えて刺激培養した。培養上清中に産生されたヒトの分泌因子をBeads Array法により定量した。 無刺激の培養条件において、臍帯血全体の細胞(単核球)と比較して幹細胞分画(CD34陽性、CD45陰性)の分泌因子の産生能が優位であった。この中には、炎症促進性のサイトカインや成長因子に分類される分子が含まれていた。また、傷害脳刺激に反応して臍帯血単核球は分泌因子の産生を増強させたが、増強効果が最も強く見られたのはCD14陽性細胞であった。この中には、IL-1bのほか、CXCL1などいくつかのケモカインも含まれていた。一方、CD45陰性細胞は傷害組織の刺激を受けて分泌因子の産生を抑制する作用を示した。 脳障害に対する臍帯血細胞移植による治療メカニズムには、臍帯血に含まれる各種細胞分画が組織傷害刺激に応じて分泌因子を発現増強または抑制する複合的な機能が関与すると考えられ、組織傷害環境の調節や神経ネットワークの再構築に作用して機能回復が促進される可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト臍帯血細胞の機能を検討するために、臍帯血に含まれる特定の細胞種を分離濃縮して、その細胞の機能を強調させて評価することができた。無刺激の培養条件で特徴的な分泌因子産生能を示し、さらに組織傷害の刺激環境下でさらに分泌因子の産生能を変化させるダイナミックな発現様式をとらえることができた。
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今後の研究の推進方策 |
臍帯血各種細胞分画から産生される分泌因子のうち、組織の修復や機能回復に関連する分子を文献的に、また、マウス脳性麻痺モデルも活用して実験的に明らかにして、その効果分子の主な産生細胞の特定に注力する。これら知見から特定の細胞種を移植に用いたり、その細胞の機能を増強した、または効果分子を組み合わせた新たな治療デザインを構築して、動物治療実験や傷害組織または組織から分離した細胞に対する作用からその効果を検証して、臍帯血による治療のメカニズムを確証する。
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