研究課題/領域番号 |
21K07862
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
豊田 秀実 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (60525327)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経芽腫 / ポリオウイルス / 抗腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
神経芽腫は小児固形腫瘍で最も多い悪性腫瘍で、予後は非常に不良であり、新しい治療法の開発が望まれています。これまで申請者らは、ポリオウイルス(以下PV)は神経芽腫細胞に対して強い抗腫瘍活性を持ち、マウスに移植した腫瘍が消失する事を報告してきました。さらに神経芽腫をPVで治療することで抗腫瘍免疫が誘導されることが示唆され、これらの知見をもとにした第I相臨床試験を三重大学医学部附属病院で行っています。今回申請者は、臨床応用できる安全な弱毒PVの開発を行うとともに、PV治療にて誘導される抗腫瘍免疫を増強させるため併用療法の開発を行います。
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研究成果の概要 |
これまで我々は、ポリオウイルス(以下PV)は神経芽腫細胞に対して強い抗腫瘍活性を持つ事を報告してきた。これまで代表者らが研究で用いた神経芽腫細胞株は、マウス神経芽腫細胞株にCD155を高発現させた細胞である。抗腫瘍免疫を獲得したマウスに、CD155無発現のマウス神経芽腫細胞株を移植しても、腫瘍形成を認めずCD155が抗腫瘍免疫の標的分子になっていないことを確認した。また、神経芽腫をPVで治療することにより得られる抗腫瘍免疫では、CD8T細胞が重要であることが証明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究代表者は、PVにより細胞死を誘導された腫瘍細胞は、抗腫瘍免疫を誘導することを証明し、CD8T細胞が抗腫瘍免疫に重要な役割を果たしていることを証明した。このことから、PVで細胞死を誘導した腫瘍細胞を、がんワクチンとして使用できる。さらに抗腫瘍免疫を誘導する原因タンパクが同定できれば、その遺伝子のコードするタンパクをがんワクチンの抗原として使用でき、またその抗原を標的としたCAR-T細胞療法の応用につながる。さらに、PVは神経芽腫だけでなく脳腫瘍を初めとする他の固形腫瘍にも細胞死を誘導することが知られており、これらの難治性小児がんの治療への臨床応用が可能となる。
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