研究課題/領域番号 |
21K07915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
有山 寛 九州大学, 大学病院, 助教 (80713437)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | LGR5 / WNT / BMP / SMAD4 / LATS2 / RUNX / 萎縮性胃炎 / 腸上皮化生 / BMPシグナル / 腸型胃がん / 胃組織幹細胞 / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
本邦における胃がんの罹患率は2018年の統計では第2位と多く、転移のある状態で見つかると治癒は期待できません。 胃がんの治療成績向上のためには胃がんの発がんメカニズムを詳細に解析する必要があります。胃の組織を培養し、RUNX3やLATS2、p53などの遺伝子をノックアウトして胃癌細胞を人工的に作成することで、胃の発癌メカニズムを理解し、新たな治療ターゲットを同定することを目的に本研究を行います。
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研究実績の概要 |
これまでの臨床検体での解析から健常部ではLGR5陽性細胞は検出困難であったが、萎縮性胃炎では有意にLGR5発現細胞が増加しており、萎縮性胃炎から樹立したオルガノイドも多くがLGR5陽性であった。オルガノイド培養系においてWnt3a、Nogginを添加しない場合はオルガノイド形成が見られず、オルガノイド形成及びLGR5陽性細胞の維持にはWNTシグナルが必須であった。臨床検体においては腺底部にWNT3aを発現する細胞が認められ、現在免疫染色を行い、これらWnt3a発現細胞の同定を行っている。 LATS2 KOによる腸上皮化生のメカニズムとして、LATS2ノックアウト後に定量的PCRによりID4の発現亢進を認め、BMPシグナルの関与が示唆された。 LATS2またはRUNX3のみのノックアウトではマウスにおける造腫瘍性を確認できなかったが、これらのノックアウトに加えてTP53あるいはSMAD4をノックアウトすることで、マウスにおける造腫瘍性が確認できた。さらにTP53と比較して、SMAD4 double knock outオルガノイドを移植した場合では、腫瘍内に浸潤するCD68陽性マクロファージの有意な増加とCCL2の mRNA発現が亢進しており、腸型胃がんにおける炎症性の微小環境構築にSMAD4が関与する可能性が示唆された。 コヒーシン構成分子の異常による染色体不安定性の誘導を目的に、胃がんAGS細胞株を用いて予備実験を行った。STAG1遺伝子をCRISPR-Cas9システムで用いてノックアウトし、染色体不安定性をmFISHで解析を行ったが、STAG1遺伝子のノックアウトによる染色体異常の増加は認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度と同様これまで使用していたCorning社のマトリゲル基底膜マトリックスの供給停止によりオルガノイド培養研究が遅滞している。 引き続き代用品も検討したが、オルガノイドの継代培養が行えず、またこれまでの培養条件と異なるため、研究結果の同質性に問題があり、マトリゲルの再供給を待つ必要がある。 一方で新しい胃オルガノイドの培養系確立を目指し、条件検討を引き続き行い、これまでと同様の結果が得られることの確認を行っていく。 また、現在これまでのin vitroでの結果を免疫染色によりヒト検体にて確認を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
マトリゲルの供給停止が続く場合、ヒト臨床検体での解析並びにこれまでのオルガノイド培養系のブロック標本を用いて、WNT・BMPシグナルの解析を継続し、論文化を目指す。 マトリゲルの供給が可能となった場合、あるいは胃オルガノイドの新しい培養系を確立した場合は引き続きKOの系を用いて、萎縮性胃炎におけるBMPシグナル特にID4の機能や胃癌進展における微小環境の変化に及ぼすSMAD4の役割につき検討を行っていく。
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