研究課題/領域番号 |
21K07917
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
入江 厚 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (30250343)
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研究分担者 |
竹田 直樹 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教 (90304998)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 炎症性腸疾患 / 小胞体ストレス / HLA-DR / トランスジェニックマウス / 動物モデル / 発光レポーター / Akaluc / ERAI / HLA / モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らが樹立したHLA-DR4のトランスジェニックマウス(HLA-DR4tgm)のホモ接合体は、潰瘍性大腸炎様の炎症性腸疾患を自然発症する。これまでの研究からこの疾患の病因には、HLA-DR4分子の過剰発現による小胞体ストレスと、ある種の常在腸内細菌が関与することが示された。本研究は大腸特異的に小胞体ストレスを検出する発光レポーター遺伝子を導入したHLA-DR4tgm のホモ接合体を樹立し、これに培養した起因菌を投与して、発症部位ならびに病態の進展過程を発光により経時的に特定し、ビジュアルでより精密な大腸炎の病態解析を試み、UCの予防法・治療法開発に必要な知見を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
申請者らが樹立したHLA-DR4tgmホモ接合体は、矮小、下痢、脱肛を呈し、その多くが生後半年以内に死亡する。病理組織解析から大腸に多数の単核球細胞の浸潤が認められ、正常なヘテロ接合体の大腸には見られない上皮細胞の形状崩壊、粘液産生の著減など、潰瘍性大腸炎様の所見を呈する。この大腸炎発症にはHLA-DR4の高発現による小胞体ストレス、およびHelicobacter japonicusの存在が必須である。小胞体ストレスを検出する発光レポーター遺伝子(ERAI-Akaluc)を用いて、大腸炎患部を同一個体で経時的に観察した。患部は直腸肛門付近から始まり、上行性に移行することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis、以下 UC)は原因不明の難病であり、その根本治療法の確立が切望されている。UCの発症に関わる因子として、腸内細菌叢と免疫系の異常が疑われているが、起因菌や免疫系の異常を誘導する機構は未だよくわかっていない。申請者らが樹立したHLA-DR4tgmホモ接合体は、起因菌の経口投与により人為的にUCを発症させることができ、従来のUCモデルマウスよりもより自然なUCの病態が得られる。このマウスを用いることにより、大腸炎病態の進展過程を明らかにし、UC発症メカニズムの理解とその予防法・治療法開発の端緒を得ることを目指す。
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