研究課題/領域番号 |
21K07944
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中尾 一彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (00264218)
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研究分担者 |
宮明 寿光 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20437891)
三馬 聡 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (30437892)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝星細胞 / TGF-β / SOCS3 / STAT3 / DNA methyltransferase |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではサイトカインシグナル系であるIL-6/JAK2/STAT3に対して抑制的に作用するSOCS3が、サイトカインシグナル系であるTGF-β/SMADsによって誘導されるSOCS3遺伝子のメチル化によって持続的に抑制されることでSTAT3の恒常的活性化が起き星細胞の活性化が維持されるのではないかという仮説を検証する。よって、TGF-βにより肝星細胞に持続的活性化を誘導後、メチル化によるSOCS3の発現抑制とSTAT3の活性化が起きているか、それを阻止することで肝星細胞の持続的活性化を抑止することが出来るのかを検証する。マウス肝線維化モデルを用い、in vivoにおいても同様の検討を行う。
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研究成果の概要 |
TGF-βで活性化した肝星細胞株にIL-6を添加したところJAK2-STAT3シグナルの活性化を認め、αSMA発現量、I型コラーゲン産生量も増加した。活性化肝星細胞においては、SOCS3の発現が低下しており、SOCS3によるネガティブフィードバック経路が作動していないことが示唆された。脱メチル化剤の5-aza処理を行うとSOCS3の発現が回復し、IL-6添加によるSOCS3の発現誘導も認めたことから、活性化肝星細胞ではSOCS3遺伝子がエピジェネティックな抑制を受けていることが解った。活性化肝星細胞ではSOCS3遺伝子プロモーター領域にメチル化部位が存在していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、IL-6/JAK2/STAT3に対して抑制的に作用するSOCS3の発現が、TGF-βで誘導されるSOCS3遺伝子のメチル化によって持続的に抑制され、STAT3の恒常的活性化が起き、星細胞の持続的活性化が維持されるという仮説の妥当性が示された。よって、線維芽細胞の持続的活性化が生じている強皮症と同じ機序が肝星細胞の活性化でも生じており、SOCS3の発現を調整することで肝星細胞の活性化を制御できることが示唆された。本研究結果は、肝星細胞活性化抑制を介した肝線維化の抑制という、慢性肝疾患の進行防止と治療に向けた研究へ繋がり、その意義は大きい。
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