研究課題/領域番号 |
21K07959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石川 哲也 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (10288508)
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研究分担者 |
林 由美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (30632707)
伊藤 弘康 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80373075)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肝細胞移植 / 肝再生不全 / 細胞老化 / 脂肪由来幹細胞 / 肝再生 / 細胞治療 / 免疫拒絶 |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓は再生医療の主要な対象臓器であり、iPS細胞、体性幹細胞を分化させた肝様細胞の他、肝細胞そのものを用いた移植医療が検討されている。しかし、細胞移植による肝再生医療を実現するには、肝不全など、移植対象疾患の肝内環境を再現したモデルでの基礎的検討が必須である。本研究では、正常な免疫系を有する肝細胞キメラマウス作製系を用いて移植細胞の生着、増殖過程をモニタリングし、移植後の肝再生、免疫拒絶の機序の解明し、拒絶回避のための治療法を検討する。また、肝線維化などの肝内環境が移植効率に与える影響も評価する。これにより、肝再生医療として実臨床への応用が可能な細胞をベースとした治療モデルの確立を試みる。
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研究実績の概要 |
チミジンキナーゼ蛋白を肝細胞で発現するマウスHSVtk/BL6、HSVtk/Balbへのガンシクロビル(GCV)投与後に、GFP発現マウス(GFPtg、BL/6)由来の肝細胞を移植するモデルを用いた。GFPtg由来幹細胞のHSVtk/BL6への移植系をAuto、HSVtk/Balbへの移植系をAlloとし、移植肝細胞の生着・増殖過程とその機序について検討した。HSVtkへのGCV投与のみのモデル(Sham)では、肝細胞の膨化、核の腫大が移植8週後にかけて顕著であり、フローサイトメトリー解析では細胞周期の停止が示唆された。Shamでは、肝内のTNF-a、IL-1、IL-6のmRNA発現の亢進、細胞老化マーカーであるp16、p21のmRNA発現亢進もみられ、持続性炎症をベースとした細胞老化による肝再生不全と考えられた。Autoではp16、p21発現は移植1週後で低下し、その後Shamよりも低値で推移し、移植8週後に肝細胞の形状、肝の組織構造は正常化した。Alloでは早期にp16、p21発現が低下したが、p16発現は経時的に上昇し、SASP因子であるTGF-bの高値が持続し、最終的にはShamより肝細胞の膨化、核の腫大の程度は大きくなった。Auto、Alloとも、移植早期にp16、p21の発現低下がみられたことから、移植肝細胞とrecipient肝構成細胞との間の接着シグナル、移植肝細胞からの何らかの液性因子が細胞老化の回避に向けて作用する可能性について検討している。さらに、Alloモデルでの移植肝細胞の拒絶回避のための脂肪由来幹細胞(ASC)投与による治療実験では、肝細胞の生着は認めなかったものの、投与2週後に肝内p16、p21発現の低下が確認された。ASCからの液性因子以外に、ASCとrecipient肝構成細胞との間の接着シグナルの関与についても検討が必要と考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
HSVtk/BL6とHSVtk/Balbとでは、必要なGCVの投与量、投与後の遺伝子発現変化の動態などがやや異なるため、recipientはHSVtk/BL6のみとし、肝細胞のドナー側のGFPtg(BL/6)をBalb/cバックグラウンドとするための戻し交配を実施中である。これによりAutoモデルはHSVtk/BL6に対するGFPtg/BL6由来肝細胞移植、AlloモデルはHSVtk/BL6 に対するGFPtg/Balb由来肝胞移植とする予定であるが、戻し交配に時間がかかっている。また、移植肝細胞のin vivoイメージング用のドナーマウスであるluciferase/GFP発現トンラスジェニックマウス(Luc/GFP-tg)についても、バックグランドの変更を行っていることが、進捗状況に遅れの原因となっている。
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今後の研究の推進方策 |
レシピエントマウスのバックグラウンドをBL/6のみとし、投与肝細胞のバックグラウンドをBL/6とBalb/cとする新しいAuto、Alloモデルを用いた実験系、Luc/GFP-tgをドナーとして用いた実験系の実施により、これまで得られた知見の検証を行うとともに、Luc/GFP-tg由来肝細胞の移植実験では、移植後の肝細胞のin vivoイメージング実験についても進めていく。これまで得られた知見であるAutoモデルでのレシピエント肝細胞の細胞老化からの回復、Alloモデルでの移植細胞拒絶後の肝線維化進展などの機序については、肝細胞移植後に起こるレシピエント肝構成細胞との接触シグナルなどにも着目してさらに解析を進めていく。また、Alloモデルにおける拒絶回避のための治療法としてFK506などの既存の免疫抑制剤とASCの併用効果の検証を行うとともに、Shamモデルでの肝再生不全に対するASC単独治療の効果についても検証していく。
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