研究課題/領域番号 |
21K08032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
篠原 啓介 九州大学, 大学病院, 助教 (30784491)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心不全 / 臓器連関 / 交感神経系 / 腎デナベーション / 神経体液性調節 / バソプレシン / 腎障害 / 腎交感神経 / 心腎連関 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓病と腎臓病が互いに関連しあう「心腎連関」の機序はいまだ不明な点が多い。交感神経系は心臓や腎臓のコントロールを含む循環調節に重要であり、交感神経活動を最終的に規定するのは脳である。腎臓交感神経求心路の興奮は脳に入力し、交感神経制御に関連することが示唆されている。応募者らは、脳内レニン・アンジオテンシン系の亢進が交感神経活性化を引き起こすことを示してきた。本研究の目的は、「腎交感神経求心路の心不全病態への寄与」を調べ、さらに「腎→脳→心の連携における脳内機序」を明らかにすることであり、特に脳内レニン・アンジオテンシン系に着目した脳内機序を検証する。
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研究成果の概要 |
高血圧性心不全モデルであるDahl食塩感受性ラットを用いて、腎神経求心路を選択的に除神経するafferent renal denervation(ARDN)により、交感神経出力と心不全の進行(肺重量の増加、左室収縮能の低下)が抑制されることを示した。心不全モデルにおける交感神経出力増加の機序として、視床下部室傍核におけるバソプレシン産生亢進が関与していることを示した。これらの研究成果により、腎神経求心路が視床下部室傍核のバソプレシン産生亢進を介して交感神経出力を増加させ、高血圧性心不全の病態進展に寄与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心臓病と腎臓病が互いに関連しあう「心腎連関」の機序はいまだ不明な点が多い。交感神経系は心臓や腎臓のコントロールを含む循環調節に重要であり、交感神経活動を最終的に規定するのは脳である。腎神経求心路の興奮は脳に入力し、交感神経制御に関連することが示唆されている。本研究により、腎神経求心路の心不全病態への寄与が明らかになり、さらに「腎→脳」の連携による交感神経出力の調節機序が明らかになった。これらの研究成果は心不全患者における腎デナベーション治療の有用性を示唆し、「腎→脳→心」の臓器連携機序に基づいた新たな心不全治療の開発につながることが期待される。
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