研究課題/領域番号 |
21K08058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
市橋 成夫 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60597102)
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研究分担者 |
大林 賢史 奈良県立医科大学, 医学部, 特任准教授 (30596656)
重松 英樹 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30623516)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | サルコペニア / 下肢閉塞性動脈硬化症 / 血管内治療 / CT |
研究開始時の研究の概要 |
サルコペニアは、寝たきりや要介護状態につながる転倒の原因となる病態で、サルコペニアを合併する患者と高い入院率・死亡率、高額の医療コストとの関連が指摘されている。PADでは下肢動脈血流量の減少により、下肢筋肉の虚血、そして間欠性跛行や重症虚血肢を生じるが、血行不全に伴い骨格筋量や強度の低下を来たし、サルコペニアを合併する。血管内治療後に活動量、骨格筋量や筋肉強度がどのように変化するのか、 これまで明らかにされていない。本研究では血管内治療前後の血中の炎症マーカー、活動量、筋肉量、筋肉強度を計測し、血行再建後のパラメータの変化を前向きコホート研究として検討する。
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研究成果の概要 |
2008年4月-2022年3月に血管内治療目的に入院した大腿膝窩動脈病変を有する下肢閉塞性動脈硬化症患者のうち、CTが撮像され腸腰筋面積が測定可能だった287名を評価対象とした。対象患者の平均年齢73.2±8.2歳、重症虚血肢は22.6%、糖尿病59.5%、維持透析患者は22.3%だった。FU期間中59名が死亡した。治療後1, 3, 5, 7, 10年の生存率はそれぞれ94.9±1.3%, 88.9%±2%, 79.7±2.9%, 70.7±3.7%, 60.7±5.8%だった。年齢、重症虚血(CLTI)、透析、腸腰筋面積、虚血性心疾患の既往が死亡の有意なリスク因子として認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
下肢閉塞性動脈硬化症(PAD)は下肢の動脈硬化による血管閉塞であるが、間欠性跛行や足の難治性潰瘍、壊死に至る病態である。下肢の動脈硬化ということで、病態を軽く見られがちであったが、心血管イベントなどによる死亡率が高いことが報告されており、予後改善が重要と考えられている。近年、加齢性筋肉減弱症 (以下サルコペニア: Sarcopenia) は、寝たきりや要介護状態につながる転倒の原因として注目されるようになったが、サルコペニアとPADの関連は明らかでなかった。本研究で腸腰筋の萎縮が死亡上昇のリスクという結果が得られ、サルコペニア改善のために歩行など運動を継続することの重要性が示された。
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