研究課題/領域番号 |
21K08059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
田口 功 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80316570)
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研究分担者 |
矢澤 卓也 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251054)
川合 覚 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70275733)
中原 志朗 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70383081)
小林 さゆき 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80226141)
石川 哲也 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80408369)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ブタ心筋梗塞モデル / 心室細動 / 急性心筋梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
急性心筋梗塞の救命率は、カテーテル冠動脈再灌流療法によって改善されたが、その結果、わが国の高齢化も加わり心不全パンデミックが懸念されるに至った。 心筋梗塞の再灌流療法時には再灌流障害により壊死心筋が再灌流時よりさらに増加してしまうことがある。これを抑制することによる心機能の温存によって心不全発症が予防され、健康寿命の延伸につながることが期待される。 本研究の目的はブタ急性心筋梗塞モデルを用いて再灌流障害抑制の方法を検討し壊死心筋の減少を達成することである。 本研究のポイントは、実施する手技が直ちに実臨床に導入することが可能であるため、近未来の急性心筋梗塞患者の予後改善への貢献が期待できる点である。
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研究実績の概要 |
急性心筋梗塞における再灌流障害抑制対策を検討するためブタ心筋梗塞モデルを用いた実験を開始している。 20頭のブタ心筋梗塞モデルを以下の4群にわける。1群:左前下行枝90分間閉塞直後に再灌流をせず心臓を取り出し、再灌流障害のない梗塞エリアを計測する、2群:左前下行枝90分間閉塞後、バルーンを縮小し再灌流を6時間継続後、再灌流障害による梗塞エリアの拡大を計測する、3群:post conditioning実施グループとして、冠動脈閉塞90分後の初回再灌流時に10秒間のみ血液を再灌流させ、その後、乳酸加リンゲルを冠動脈に急速注入充填後、バルーンを拡張することにより冠血流を遮断して、乳酸加リンゲルを冠動脈内に封入する。1分後、再び血液を再灌流させるが、次回は20秒間の血液再灌流後に乳酸加リンゲルを冠動脈注入し1分間冠血流を遮断する。次の血液再灌流は30秒間、というように、10秒ずつ血液再灌流時間を延長し、60秒間の血液再灌流後の乳酸加リンゲル冠動脈注入後、1分間の冠血流遮断が終了したのち血液還流を継続する。4群:緩徐再灌流による再灌流障害抑制効果をpost conditioning効果と比較するため、再灌流は3群と同じ様式で行うが乳酸加リンゲルの冠動脈注入は行わない。ブタ心筋梗塞モデルを20頭作成予定のところ、現在、18頭実験を完遂できた。 当初は、抗不整脈薬等の使用法が不安定であり、また、作成梗塞範囲も広範であったため、心室細動による死亡率は70%近かったが、現在、リドカイン、硫酸Mgの使用法が確立し、梗塞範囲も縮小したため、70%以上の実験完遂率となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予想以上にブタ心筋梗塞モデルの心室細動による死亡率が高く、昨年度は遅れていたが、輸液、抗不整脈薬、カテコラミン等の使用法が確立してきたため、当初の予定に復した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度中に予定通り実験を終了し、データ解析および学会発表、論文作成に取り掛かる予定である。
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