研究課題/領域番号 |
21K08118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
米山 喜平 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70386944)
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研究分担者 |
明石 嘉浩 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40350615)
樋熊 拓未 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (40361018)
中井 陸運 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 室長 (50595147)
土井 駿一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (80930718)
川越 康仁 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60972718)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心血管病 / 黄砂 / 大気汚染 / 気温 / 心筋梗塞 / 心不全 / 脳梗塞 / 米山喜平 / 脳卒中 / 気象 / 高齢化社会 / 医療費 / 環境 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦の気温・大気汚染が脳心血管疾患病発症に及ぼす知見は非常に乏しい。本研究は、国立環境研究所が提供する気象・大気汚染データと日本循環器学会が提供する患診療実態調査データをリンクさせ以下を明らかにしたい。a)気象・大気汚染物質に高感受性の脳心血管病を同定。b)脳心血管病の発症に基づく大気汚染物質の適正濃度を同定(環境基準の見直し)。c)気象・大気汚染物質が医療費に与える影響を同定(医療費助成制度の見直し)。本研究は、大気汚染と高感受性の脳心血管病ならびに地域を解明し、大気汚染高濃度時における警告や、脳心血管病発症抑制に重視した未然防止の観点に立って、基礎的な知見を明らかにすることができる。
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研究実績の概要 |
本邦の気温・大気汚染が脳心血管疾患病発症に及ぼす知見は非常に乏しい。本研究は、国立環境研究所が提供する気象・大気汚染データと日本循環器学会が提供する患診療実態調査データをリンクさせ以下を明らかにしたい。a)気象・大気汚染物質に高感受性の脳心血管病を同定。b)脳 心血管病の発症に基づく大気汚染物質の適正濃度を同定(環境基準の見直し)。c)気象・大気汚染物質が医療費に与える影響を同定(医療費助成制度の見直し)。本研究は、大気汚染と高感受性の脳心血管病ならびに地域を解明し、大気汚染高濃度時における警告や、脳心血管病発症抑制に重視した未然防止の観点に立って、基礎的な知見を明らかにすることができる。デザイン:疫学調査横断研究。対象:2012年4月1日から2017年3月31日までにJROAD-DPCに参加施設に入院し期間内に登録された全症例。症例数:6,632,484件のデータがすでに集められている。データ:日本循環器学会が提供するJROADデータ:施設データ(郵便番号、病床数、医師数など)、JROAD-DPCデータ:患者データ (年齢、性別、循環器主病名、脳卒中病名、医療費など)を使用する。国立環境研究所が提供する全国各地の気象データ(気温、降水量、風速、季節など)、大気汚染データベースを利用する。評価項目:主要評価項目;循環器疾患の入院数。脳心血管病発症リスク(主要アウトカム)の関連Multilevel mixed-effects linear regressionを用いる。従属指数は1日の循環器疾患の入院数とする。モデル3;大気汚染濃度+施設因子+気象データ、モデル4;大気汚染濃度+施設因子+気象デモデルは以下を想定している。モデル1;大気汚染濃度、モデル2 ;大気汚 染濃度+施設因子、データ+患者因子。Random effectを市町村コードとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国立環境研究所が提供する気象・大気汚染データと日本循環器学会が提供する患診療実態調査データの2つのデータベースを取得した。しかしながら、この2つのデータベースを統合することができずに進行が遅れている。データベースが統合できない理由は、実態調査のデータセンターである国立循環器病研究センターへの出張ができないからである。新型コロナウイルス感染症による移動制限が影響した。このためデータを当院でも解析できるように準備を進めた。日本循環器学会が提供する患診療実態調査の規定にもとづき、当院の施設整備(鍵のかかる部屋の作成、ワークステーションなどの環境整備など)を行った。しかしながら、6,632,484件のデータの統合は容易でなく医療統計の専門家とミーティングを今後も重ねていく必要がある。 しかしながら、2015年4月1日から2019年3月31日の間に日本の急性期病院に入院した脳血管疾患の連続患者606,807人を対象とした解析は終了している。主要アウトカムは、1日あたりの脳血管疾患入院件数とした。マルチレベル混合効果線形回帰モデルを用いて、大気汚染、病院、患者のデモグラフィックを調整した後、入院1日前の平均気温および湿度と脳血管疾患入院の関連を推定した。結果は以下の通り: 平均気温が低く、湿度が70%未満に低下または70%以上に上昇した場合、脳血管疾患入院の発生率が上昇した(係数、-1.442 [-1.473 to -1.411] per℃、P<.001、係数、-0.084 [-0.112 to -0.056] per %、P<.001、係数、0.136 [0.103 to 0.168] per % 、P<.001、それぞれ)。結論 平均気温の低下や極端な低湿度・高湿度は、超高齢化社会における脳血管疾患入院の発生率の上昇と関連している可能性の結果がでている。
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今後の研究の推進方策 |
606,807人を対象とした解析は終了している。平均気温の低下や極端な低湿度・高湿度は、超高齢化社会における脳血管疾患入院の発生率の上昇と関連している可能性の結果がでており、医学雑誌の論文投稿をしていく予定である。また、得られたデータを海外学会および国内の学会で遅滞なく発表し広く国民に周知させる予定である。
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