研究課題/領域番号 |
21K08147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
市川 朋宏 東北大学, 大学病院, 講師 (20405450)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 気管支喘息 / 好酸球 / ダニ抗原 / CYP27A1 / 27-hydroxycholesterol / オキシステロール / 気道上皮 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、酸化型コレステロールの27-hydroxycholesterol (27-HC) とその産生酵素CYP27A1の、喘息病態における役割を解明する。具体的には、① 喘息患者と健常者の気道における27-HCとCYP27A1の産生量、② 喘息動物モデルにおける気道内の27-HC及びCYP27A1の発現と局在、③ ② 細胞レベルでのCYP27A1発現のシグナル、④ 27-HCが気道細胞に及ぼす影響、⑤ 喘息動物モデルにおけるCYP27A1阻害剤の気道炎症抑制効果、について検討し、CYP27A1-27-HCの経路に着目した喘息の新規治療法の開発の基盤を築くことを目標とする。
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研究実績の概要 |
代表的な吸入抗原であるダニの抽出液(HDM)を用いた喘息マウスモデルにおいて、オキシステロールの1つである27-hydroxycholesterol (27-HC)の喘息病態における役割を検討している。HDMをマウスに投与すると、気道炎症の促進と好酸球数の増加とともに気道内で27-HC産生酵素であるCYP27A1の発現が亢進することを確認した。Ca-blockerはCYP27A1の阻害作用を有するため、既報よりCYP27A1の阻害作用が比較的強いニルバジピンをCYP27A1阻害薬として用いた。CYP27A1を投与しておくとHDMによる気道炎症惹起作用や好酸球動員作用が有意に抑制された。一方同じCa-blockerであるアムロジピンを用いて同様の検討行ったところ、アムロジピンにはHDMによる気道炎症や好酸球増加を抑制する作用が見られないことがわかった。ニルバジピンの作用がCYP27A1阻害によるところをさらに確認するために同じくCYP27A1阻害作用を有するanastrozoleを用いて、HDMによる気道炎症の抑制作用がCYP27A1特異的に働いているかどうかを確認した。anastrozoleもニルバジピンと同様に、HDM誘導性の気道炎症を抑制した。上記の結果から、HDMを介した気道炎症にはCYP27A1が関与することが示唆された。CYP27A1の最終産物である27-HCを起動上皮細胞に投与し、喘息と関連したメディエーターやタンパクなどの産生への影響やそのメカニズムをin vitroの系で現在検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度も予定通りマウスを用いた実験を行った。Common aerallergenであるヤケヒョウヒダニの抽出物 (Der p 1)を抗原として、マウスに経軌道的に投与する喘息モデルを用いてCYP27A1と喘息病態の役割を検討した。本年度はCYP27A1が喘息病態に関与することをこのモデルを用いて確認することができた。CYP27A1の最終産物である27-hydroxycholesterolの喘息病態における生物学的作用を確認するため気道上皮細胞を用いて、各種メディエーターや関連タンパクの測定を行っている。 研究は順調に進んでおり、論文化の目処も立っている。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験でHDM誘導性炎症におけるCYP27A1の関与が明らかになったことを踏まえ、気道内での27-HCの産生や、27-HCの気道上皮細胞に対する生物学的作用を本年度は検討していく。動物実験と培養細胞の実験結果をまとめ、今年度中に論文投稿を目指す。
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