研究課題/領域番号 |
21K08164
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
柏木 維人 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50722451)
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研究分担者 |
矢澤 卓也 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251054)
矢澤 華子 (佐藤華子) 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60438132)
石井 順 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80749599)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | クローディン / 小細胞肺癌 / 肺がん / タイト結合 / 転写因子 / 小細胞癌 / 細胞間接着 |
研究開始時の研究の概要 |
体表面や内部器官の表面を覆う上皮細胞は細胞間の接着装置を持つ。装置の一つであるタイト結合を構成するクローディン(CLDN)は正常組織だけでなくがんにも複数種類同時に発現している。それら複数のCLDNが相互作用をするという知見から、「複数のCLDNが単独あるいは相互作用しながら小細胞肺癌の悪性形質を制御する」という仮説を立てた。本研究では、小細胞肺癌の悪性形質を制御する複数のCLDNを突き止め、さらにそれらの相互作用を含めた悪性形質制御機構の詳細を明らかにすることで仮説を証明する。
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研究実績の概要 |
小細胞肺癌は非常に悪性度の高い癌腫であり、残念ながら有効な分子標的治療法は現在のところ存在していない。その現状を打破する足掛かりを作るため、我々は細胞間接着装置のひとつであるタイト結合の主要構成分子クローディンに着目し、複数のクローディンクサブタイプが相互作用しながら小細胞肺癌の悪性形質を制御していると考え検討を進めている。現在までのところクローディン4をはじめ複数のクローディンサブタイプが小細胞癌の悪性形質に関与することを、遺伝子過剰発現あるいはノックアウト細胞を用いることで突き止めることができた。しかしながら、それらが実際に同一細胞内あるいは細胞間で相互作用し、協調あるいは排他的に小細胞肺癌の悪性形質を制御しているかは検討中であり明らかにはなっていない。また、クローディンシグナルが、どのような分子を介して、どのようなシグナル経路で悪性形質を制御しているかを明らかにするため、RNAシークエンスやプロテインアレイなどの網羅的な解析を行った。その結果、複数のタンパク質リン酸化酵素が候補として挙がり、現在は実際にそれらの関与が有るか否かの検討を行っているところである。これらの検討の末に、クローディンシグナルによる小細胞肺癌の悪性形質制御機構の全容が明らかになれば、クローディンを標的とした抗体療法や、タンパク質リン酸化酵素の阻害剤などによる小細胞肺癌の新たな治療法開発につながるものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
悪性形質に関わるクローディンサブタイプ、それらに端を発したシグナルを伝えるリン酸化酵素の候補が当初の想定よりも多く、それらの検討に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
まずクローディンサブタイプの相互作用を証明する。次に、その相互作用によって発生したシグナルがどのようなメカニズムで小細胞肺癌の悪性形質を制御しているのかを、各種分子生物学的手法を用いて明らかにする。
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