研究課題/領域番号 |
21K08197
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森島 祐子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10375511)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 喘息 / アレルギー性気道炎症 / 脂肪酸 / 長鎖脂肪酸伸長酵素 / Elovl6 / 脂肪酸組成 |
研究開始時の研究の概要 |
喘息患者の5-10%は標準治療によっても十分にコントロールされず、発作を繰り返しているという現実がある。そのような重症喘息に対しては画一的な治療ではなく、個々の病態に応じた個別的治療の確立が必要である。近年、肥満が喘息のリスクであることが知られるようになり、申請者は生体内での脂肪酸のアンバランスが喘息の増悪に関与するのではないかと考えている。本研究では、脂肪酸のバランスを制御する酵素(Elovl6)が喘息病態の修飾にどのような役割を果たしているのか検討する。
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研究成果の概要 |
ELOVL6 活性低下が喘息病態にどのような影響を与えるか検討した。まず重症喘息患者の気管支上皮では、対照群と比較してELOVL6の発現が低下していることを見出した。さらに、Elovl6欠損喘息マウスを用いて喘息病態に対するElovl6の寄与を調べたところ、野生型マウスと比較してElovl6欠損喘息マウスの気道・肺組織では気道炎症が増悪し、リンパ節からのリンパ球の排出が増加し、2型・非2型免疫応答ともに亢進していることがわかった。また、リピドミクスのプロファイリングから、Elovl6欠損喘息マウスの肺では、パルミチン酸、セラミド、スフィンゴシン-1-リン酸の濃度が高いことも明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂質代謝異常が喘息の病態成立に与える影響について、分子細胞生物学的な側面からアプローチした研究はきわめて少ない。これまでに行われた研究の多くは組織に蓄積する脂質の「量」に着目し、とくに生体内で合成されないω3やω6必須脂肪酸を中心に、それらの「摂取量」によってアレルギー性気道炎症が修飾されることが報告されている。これに対して本研究は、生体内で合成される脂肪酸を含めた包括的な脂質の不均衡が喘息の増悪をもたらす病態について明らかにするものであり、その成果は新たな治療の確立に寄与するものと考えている。
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