研究課題/領域番号 |
21K08245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
豊原 敬文 東北大学, 大学病院, 准教授 (60594182)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 糖尿病性腎臓病 / 脂質代謝 / AADAC / 糖尿病性腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病性腎症は透析導入原因疾患の第一位であるが、血圧と血糖のコントロールのみの治療では不十分であり病態解明や有効な治療法の開発が急務である。申請者は最近心血管疾患に‘罹患しにくい’糖尿病患者と‘罹患しやすい’糖尿病患者からiPS細胞を7株ずつ作製し血管細胞(血管平滑筋、内皮細胞)に分化誘導して、脂肪毒性を是正する新規動脈硬化抑制因子Arylacetamide Deacetylase(AADAC)を発見した。そこで本研究では糖尿病性腎症における糖尿病性腎症保護・増悪因子の解明を患者由来iPS細胞を用いて明らかにするとともに、AADACを中心とした腎脂肪毒性の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究ではArrylacetamide Deacetylase(AADAC)の脂質毒性抑制作用の検討や糖尿病性腎症における腎臓構成細胞の役割検討を行なった。In vivoにおいてはAadacノックアウトマウスはインスリン反応性が異なる一方でGlucose Tolerance Test(GTT)では差を認めず、AADACはインスリン感受性に関与する可能性が示唆された。また、糖尿病性腎症に罹患しやすい患者と罹患しにくい患者のiPS細胞より分化誘導した内皮細胞を比較したところ、糖尿病性腎症に罹患しやすい患者由来の内皮細胞ではアポトーシスや炎症反応、活性酸素に関わる遺伝子群が上昇していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性腎症は透析導入原因疾患の第一位であるが、血圧と血糖のコントロールのみの治療では不十分であり病態解明や有効な治療法の開発が急務である。糖尿病や肥満においては全身臓器の細胞内に脂肪が蓄積し、いわゆる‘脂肪毒性’を引き起こす。糖尿病性腎症においても腎臓の構成細胞(内皮細胞、糸球体足細胞、近位尿細管)が脂質を始めとした変化を示し病態に関与することが知られている。本研究ではAADACという小胞体リパーゼの糖尿病における働きを解析し、糖尿病性腎臓病における腎臓構成細胞の役割の一端を解明した。今後の糖尿病性腎臓病に対する治療の重要な基礎になると考えられる。
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