研究課題/領域番号 |
21K08248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 元信 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40459524)
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研究分担者 |
堀田 晶子 帝京大学, 医学部附属病院, 講師 (20534895)
佐藤 信彦 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80572552)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 近位尿細管 / ナトリウム再吸収 / 腎保護 / mTOR / mTORC2 / 腎障害 / 糖尿病 / SGLT2 / ナトリウム |
研究開始時の研究の概要 |
SGLT2阻害剤による糖尿性腎症の進展抑制が近年の大規模臨床試験により示された。その機序の一つとして、SGLT2阻害剤によるケトン体産生が、近位尿細管のmTORC1活性を抑制し、DMNの進展を抑制することや、糖尿病性腎症の進展にmTORC1の関与が示唆されているが、mTORC1阻害剤の腎保護効果は限定的である。最近、mTORC2と腎保護の関連が示唆されているが、mTORC2の生理的な意義には不明な点が多い。本研究の目的は、SGLT2阻害剤の腎保護効果に着目し、未解明である近位尿細管におけるmTORC2の生理的な意義の解明を通じて、糖尿病性腎症の進展機序と進展抑制因子を解明することである。
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研究成果の概要 |
天然化合物であるレスベラトロールはポリフェノールの一種であり、in vitroとin vivoの両方の研究で、炎症の軽減、抗がん作用、抗酸化作用、アンチエイジング特性が報告されているが、近位尿細管における作用や腎臓病に対する効果は不明である。そこで、今回、我々は、レスベラトロールの近位尿細管ナトリウム再吸収に及ぼす影響と腎臓病進展抑制効果について、検討した。その結果、レスベラトロールは近位尿細管において、インスリンによるNa再吸収亢進作用を抑制し、腎保護作用を有する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
mTORC2の腎近位尿細管における役割や意義については、不明な点が多い。今回、我々は、レスベラトロールは近位尿細管において、mTORC2を抑制することによりインスリンによるNa再吸収亢進作用を抑制すること、in vvoの検証においてレスベラトロールが腎保護作用を有する可能性を見出したことから、インスリン/mTORC2経路は、腎近位尿細管において、腎障害進展と関連している可能性がある。従って、この経路を標的とした腎臓病の治療につながる可能性があり、糖尿病性腎症の進展を抑制する次世代の治療法を見出すことができれば、末期腎不全の進展をさらに抑制することができると考えられる。
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