研究課題
基盤研究(C)
巣状糸球体硬化症(FSGS)はステロイド抵抗性ネフローゼ症候群で特徴づけられる臨床病理学的疾患であり、大多数の患者は末期腎不全に至る。成人発症FSGSの約5-10%は約30個のポドサイト関連遺伝子が原因の遺伝性FSGSと判明している。本研究の目的は、Crb2遺伝子のFSGS発症に関する役割を、生前と生後にそれぞれポドサイト特異的にCrb2をノックアウトしたマウスモデルを作製して解明することである。
ネフローゼ症候群の中でステロイド抵抗性の場合難治性疾患となることが多く、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)はその原因疾患の代表例の1つである。成人発症FSGSの一部はポドサイトの単一遺伝子異常が原因である遺伝性FSGSと判明している。本研究の目的は、Crb2遺伝子のFSGS発症に関する役割を、生前と生後にそれぞれポドサイト特異的Crb2ノックアウトマウスを作製して解明することである。初年度では、生前にポドサイト特異的にCrb2をノックアウトしたマウスモデル(生前マウスモデル)でのデータを国際英文誌に論文公表した。生前マウスモデルでは、2ヶ月齢で高度のアルブミン尿と血尿を呈し、6ヶ月齢で糸球体硬化や尿細管間質線維化が有意に進行することや透過型電子顕微鏡で足突起の癒合を有意に認め、各種ポドサイト関連タンパクの発現低下を認めた。ヒト培養ポドサイトでもCRB2をノックアウトすると、アポトーシスを引き起こしやすいことを同定した。次年度では、生後にポドサイト特異的にCrb2遺伝子をノックアウトしたマウスが生前マウスモデルと同様に陰性コントロールマウスと比較して、4ヶ月齢(腹腔内投与2ヶ月後)の時点で高度のアルブミン尿と血尿を呈するだけでなく、6ヶ月齢(腹腔内投与4ヶ月後)と10ヶ月齢(腹腔内投与8ヶ月後)の時点で糸球体硬化や尿細管間質線維化が有意に進行することや透過型電子顕微鏡で足突起の癒合を有意に認めることを同定した。本年度では、網羅的RNA解析を行った。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 10件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 12件)
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