研究課題/領域番号 |
21K08299
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡辺 玲 (細川 玲 / 渡辺玲) 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (60463866)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Resident memory T細胞 / 皮膚免疫 / 皮膚resident memory T細胞 / 皮膚疾患 / T細胞 / 加齢変化 |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚に留まり続けるmemory T細胞が高齢者皮膚でも多様に分布し、病原体などへの応答能力を維持している。この皮膚T細胞は、血中T細胞と異なり、エネルギー代謝に糖だけでなく脂肪酸を用いることを得意としていることから、皮膚T細胞が効率よくエネルギーを得ることで皮膚での長期生存を可能とし、機能も維持できていると考えられている。本研究では、皮膚T細胞と血中T細胞のエネルギー代謝の違いを明らかにし、血中T細胞から皮膚T細胞に性質を変化させる過程、皮膚T細胞が皮膚の長期生存と機能維持を可能としている機構を、ヒト皮膚検体、血液検体、マウスモデルを用いて検証する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、特に皮膚resident memory T細胞(TRM)で発現増強が見られるFABP4/FABP5に着目し、TRMの構築・維持機構をヒト皮膚・マウスモデルで解析した。ヒト皮膚では、加齢に伴い特に表皮内TRMが増数し、表皮・真皮ともTRMのFABP5発現が高まることが判明した。FABP5の発現強度と相関する細胞表面分子・転写因子に、TRM関連分子が複数同定され、FABP5とこれらの分子を結ぶカスケードを探索できた。マウスモデルでは、TRM介在接触過敏反応がFABP5欠損マウスで減弱し、FABP5がTRM様細胞の構築には影響しないものの、その機能、局所維持に司ることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果から、細胞内脂肪酸キャリアタンパクであるFABP5が特にTRMのエフェクター機能、局所維持に関わることが判明し、皮膚においては外用剤による皮膚TRMのFABP5発現制御が皮膚TRMのエフェクター機能・局所維持の制御に結びつく可能性が考えられた。例えば皮膚局所感染症においては、FABP5の発現促進が、TRMのエフェクター機能促進による感染制御、局所維持による予防効果につながる可能性が期待される一方、TRMが関わる多くの臓器特異的な免疫疾患においてはFABP5の発現抑制が疾患コントロールにつながる可能性が考えられ、本研究成果の、FABP5を標的とした疾患治療への応用が期待される。
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