研究課題/領域番号 |
21K08305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
廣保 翔 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 後期臨床研究医 (10571284)
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研究分担者 |
廣保 葵 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (20899603)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | グランザイムK / 類天疱瘡 / 痒み / 尋常性乾癬 / プロテアーゼ / グランザイム / PAR-2 |
研究開始時の研究の概要 |
類天疱瘡は高齢者に多い、全身に水膨れができる病気で、強い痒みを伴います。その痒みに対する治療は難しく、現状の治療ではなかなか良くなりません。そこで我々は、その類天疱瘡の痒みに対し、より効果的な治療法を開発することを最終目標にします。その目標のために、本研究ではPAR2とプロテアーゼに着目し、それらが類天疱瘡の痒みを引き起こしているかどうかを、細胞モデル、動物モデル、患者標本を用いて研究します。
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研究実績の概要 |
類天疱瘡の痒みは既存の治療に抵抗性を示し臨床上の問題となる。その痒みにはヒスタミン以外の起痒物質の関与が示唆されるが具体的な分子はまだ特定されていない。その起痒物質の同定のため、申請者らは、類天疱瘡において増加しているプロテアーゼがPAR-2活性化を介して痒みを引き起こすと仮説を立て、研究を開始した。2022年度までは、プロテアーゼの中でもグランザイムKに特に集中して研究を進めた。 2022年度は2021年度に引き続き、摘出したマウス培養後根神経節細胞にFluo-8(R) AMを取り込ませ、グランザイムKで刺激直後にその細胞内のCa2+流入があるかどうかをライブセルイメージングの手法で観察した。PAR-2 agonistであるSLIGRLで刺激した際にCa2+流入があった細胞に、グランザイムK刺激でもCa2+流入が認められた。このことから、我々はグランザイムKがPAR-2を介してCa2+流入を引き起こしている可能性が高いと考えている。今後阻害実験を行う予定である。 また、患者皮疹部のグランザイムKが感覚神経終末の近傍に局在するかどうかを確認するため、PGP9.5とグランザイムKの二重染色を行った。現在のところ、尋常性乾癬において感覚神経の近傍にグランザイムK陽性細胞が局在することを確認している。今後類天疱瘡疾患でも確認予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では2022年度までにマウスに対するプロテアーゼの投与実験を行う予定であったが、研究分担者の健康上の事情により、実験計画に遅れが生じている。2023年に入り他のラボメンバーに当研究の一部を遂行してもらっており、それにより免疫組織化学などの結果を得ることができた。2023年度中に研究分担者が復帰予定であり、今後本研究はさらに生産的になる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
後根神経節細胞のグランザイムKによるCa2+流入がPAR-2依存的であるかどうかを見るため、PAR-2阻害薬を投与した後にグランザイムKを投与する。すでにモデルを確立し、PAR-2阻害薬も購入済みである。 プロテアーゼをマウスに投与し、その後の掻破行動を見る。グランザイムK投与後に掻破行動が増えることはすでに予備実験により確認しているため、今年度中にサンプルサイズを増やす。 疾患モデルマウスに対するグランザイムK阻害薬投与実験を行う。元々後天性表皮水疱症マウスモデルで行う予定であったが、グランザイムKの増加を特に尋常性乾癬で確認しているので、イミキモド誘導性乾癬様マウスモデルで行う予定である。
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