研究課題/領域番号 |
21K08312
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
長田 真一 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00244484)
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研究分担者 |
大塚 洋平 日本医科大学, 医学部, 助教 (30637856)
緒方 大 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (30724710)
市山 進 日本医科大学, 医学部, 講師 (00333336)
豊島 あや 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (50906823)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メラノーマ / 細胞極性 / aPKC / 転移 / 腫瘍免疫 / シグナル伝達 / 上皮間葉転換 |
研究開始時の研究の概要 |
メラノーマは非常に転移しやすく、最も悪性度の高いがんの一つである。atypical protein kinase C (aPKC)-PAR複合体は、種を超えて細胞極性を制御している。上皮系のがんでは、aPKC-PAR 複合体は、転移時に起こる上皮間葉転換を制御しているだけでなく、免疫監視機構にも影響を与えていることが明らかになってきている。メラノーマでは、aPKC-PAR 複合体を構成する aPKCλ/ιと Par3 の発現が低下していることが報告されているが、その生物学的意義はわかっていない。本研究では、細胞極性がメラノーマの転移、および免疫応答をどのように制御しているかを解析する。
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研究実績の概要 |
atypical protein kinase C (aPKC)-PAR複合体は、種を超えて細胞極性を制御している。上皮系のがんでは、aPKC-PAR 複合体は、転移時に起こる上皮間葉転換を制御しているだけでなく、免疫監視機構にも影響を与えていることが明らかになり注目されている。 がんの遺伝子発現データベースであるGEPIAによると、メラノーマでは、aPKCζ の発現は正常組織とほとんど変わらないのに対し、aPKCλ/ιの発現は約半分に、Par3の発現は約1/5に低下している。しかし、このaPKCλ/ιとPar3のメラノーマにおける発現低下の生物学的、臨床的な意義は不明である。 本研究では、細胞極性がメラノーマの転移、およびメラノーマに対する免疫応答に、どのような影響を与えるのかを調べることを目的とし、以下の3つの大きな課題に取り組んでいる。1)aPKC-PAR 複合体を構成する aPKCζ、aPKCλ/ι、Par3をノックダウン、または高発現させたメラノーマ細胞株を樹立し、in vitroで樹立した細胞株の生物学的特性を解析する。2)1)で樹立した細胞ををマウスに注射して造腫瘍性、転移能、腫瘍免疫応答を in vivoで解析する。3)メラノーマの病理組織標本を用いて、aPKCζ、aPKCλ/ι、Par3の発現レベルと悪性度、治療抵抗性との関係を解析する。 令和4年度は2)に注力し、昨年度に樹立した、aPKCζ、aPKCλ/ι、Par3をノックダウンさせたメラノーマ細胞をマウスに接種し、造腫瘍性、転移能をみる実験を行った。また、 3)を遂行すべく、メラノーマの手術標本を集めて、病理型、進行度、治療抵抗性ごとに分類する作業に入った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
メラノーマ細胞の樹立を担当していた研究分担者の大塚が退職したため、その研究の引継ぎに時間がかかり、メラノーマ細胞をマウスに接種する実験の開始が遅れた。また、この実験を手伝う予定だった大学院生が、マウスに対してアレルギーを持っていることが判明し、接種実験を行う研究メンバーの再編成を余儀なくされた。さらに、樹立したメラノーマ細胞の遊走能、浸潤能を、in vitroで定量解析するためのプレートが、新型コロナウイルス感染症によるサプライチェーンの停滞の影響で、未だに納品されていないことも研究の遂行に影響を与えた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に大きな変更はない。メラノーマ細胞をマウスに接種する実験のスピードアップを図るために、令和5年3月より新たに技術補佐員を雇用し、大学院生も含めた研究グループの再編成を行った。
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