研究課題/領域番号 |
21K08320
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 忠弘 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (20746383)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 全身性強皮症 / Toll-like receptor 7 / Toll-like receptor 9 / ブレオマイシン誘発強皮症モデル / ブレオマイシン誘発強皮症モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
全身性強皮症は皮膚および内臓諸臓器の障害と線維化を特徴とする自己免疫疾患であり、根本的な治療法は確立されていない。近年の研究により、全身性強皮症の病態には自然免疫に重要な役割を有するToll-like receptor (TLR)が関与していることが示されている。全身性強皮症患者の末梢血単核細胞ではTLR7およびTLR9の発現が亢進しており、全身性強皮症による症状との相関関係が認められている。本課題では、全身性強皮症におけるTLR7およびTLR9の機能およびそのメカニズムを解明するとともに、全身性強皮症に対する新規治療開発のための基板形成を目指す。
|
研究実績の概要 |
今年度、改めて検体数を増やしてブレオマイシン誘発強皮症モデルにおける皮膚硬化および肺線維化の評価を行った。8-10週齢の野生型マウス(Balb/c)、Toll-like receptor (TLR)7欠損マウス、TLR9欠損マウスの背部皮下にそれぞれブレオマイシン溶液(1mg/mL)300μLを4週間、隔日で皮下注射した。その後にそれぞれのマウスの皮膚および肺組織を採取し、Hematoxylin-Eosin染色、Masson Trichrome染色にて線維化の程度を評価した。皮膚の線維化に関しては、野生型マウスとTLR7欠損マウスの間に有意差はなかったが、TLR9欠損マウスでは野生型マウスおよびTLR7欠損マウスに比べ有意に悪化がみられた。肺の線維化に関しては、野生型マウスとTLR9欠損マウスの間に有意差はなかったが、TLR7欠損マウスでは野生型マウスに比べ有意に線維化の程度が軽度であった。このように、ブレオマイシン誘発強皮症モデルにおける検討では、皮膚に関してはTLR9欠損マウスで線維化の増悪がみられ、肺に関してはTLR7欠損マウスで線維化の軽減がみられた。 さらに、ブレオマイシン誘発強皮症モデルマウスの脾臓を用いて制御性T細胞、Th17細胞、制御性B細胞、エフェクターB細胞の割合をフローサイトメトリーで解析した。この結果、TLR7欠損マウスでは制御性T細胞の割合が野生型マウスおよびTLR9欠損マウスよりも増加していた。Th17細胞・制御性B細胞・エフェクターB細胞に関しては、野生型マウス・TLR7欠損マウス・TLR9欠損マウスの間に有意差はみられなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ブレオマイシン誘発強皮症モデルにおける野生型マウス・TLR7欠損マウス・TLR9欠損マウスの皮膚および肺の線維化の評価は予定通り遂行することができた。 一方、マウスの成育が予定より遅れたため、ブレオマイシン誘発強皮症モデルマウス(野生型マウス、TLR7欠損マウス、TLR9欠損マウス)の皮膚および肺に浸潤した炎症細胞(T細胞、制御性T細胞、B細胞、マクロファージ)の免疫組織化学的な評価は次年度に行うこととなった。皮膚および肺組織におけるmRNA(IL-6、IL-10、IL-13、TNF-α、INF-α、IFN-β、IFN-γ)およびCOL1A2をコードするmRNAをreal-time reverse transcription PCR (real-time RT-PCR)法を用いて定量的に評価する実験も次年度に行うこととなり、計画の達成度はやや遅れていると評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
ブレオマイシン誘発強皮症モデルマウスの皮膚および肺に浸潤した炎症細胞を免疫組織化学的な手法で評価する予定である。 また、皮膚および肺組織におけるサイトカイン(IL-6、IL-10、IL-13、TNF-α、INF-α、IFN-β、IFN-γ)およびCOL1A2をコードするmRNAを、real-time reverse transcription PCR (real-time RT-PCR)法を用いて定量的に評価する予定である。
|