研究課題/領域番号 |
21K08431
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
小林 央 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究員 (10749542)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / 幹細胞成熟 / 遺伝子・細胞治療 / 再生医療 / 胎生期 / 成熟 / 遺伝子編集 / CRISPR/Cas9 / 静止期維持培養 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は、造血幹細胞が胎生期から発生期における静止期性獲得の要因と特性を明らかにするとともに、胎児型造血幹細胞から成体型造血幹細胞への成熟を体外環境で再現する培養法を確立することである。短期間で評価しうる胎生期および成体型造血幹細胞のマーカーを複数同定し、造血幹細胞の成熟を多元的かつ定量的に評価する基盤を整える。その上で造血幹細胞の胎児型から成体型への成熟が可能な培養条件を見出す。
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研究成果の概要 |
胎児型造血幹細胞と成体型造血幹細胞の環境応答性の相違の解明: 成体型造血幹細胞のマーカーは培養条件によって変化し、特にCpne2は間葉系細胞との共培養で緩やかに成熟する。一方、Ndrg1の発現は間葉系細胞由来の因子が成熟過程を抑制することが示された。胎児型造血幹細胞の長期培養法による体外成熟化誘導: 当初研究計画のサイトカインのカクテルによる未分化性維持は困難であったが、間葉系細胞共培養系の最適化により胎児型造血幹細胞は500日以上の長期培養が可能で、大きな形質変化を起こさずに維持されることが確認された。さらに、造血幹細胞の遺伝子編集の改良とその応用についても複数の報告を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、造血幹細胞の成熟過程および培養に伴う機能変化の分子基盤が同定され、それを外的環境の調整で静止期・増殖期の性質を制御する方法論がもたらされることで、造血発生に関連する造血・免疫疾患の病態生理が明らかになり、関連した診断技術の基盤が創出されると期待される。また、限られた造血幹細胞移植ソースを増幅する際に、造血幹細胞を機能損失することなく安全に体外で増幅を維持する技術が開発されることが期待される。これらの技術開発により、従来治療法の限られた先天性免疫不全症や先天性代謝疾患にも造血幹細胞移植の適用範囲が拡大し、移植を必要とする患者への治療の提供が向上する可能性がある。
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