研究課題/領域番号 |
21K08437
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三枝 淳 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (20514970)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | エクソソーム / 細胞外小胞 / 関節リウマチ / ANCA関連血管炎 / 膠原病 / 全身性自己免疫疾患 / 炎症性筋疾患 / バイオマーカー / 自己免疫疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず質量分析計を利用して膠原病の患者血清中で変動しているEV内包タンパクについて解析する。そして、EV表面のタンパクを定量的に検出するELISA系を確立し、臨床検査として応用可能な新規バイオマーカーを同定したいと考えている。さらに、膠原病モデルマウスにおいて特定のEVあるいはEV内包タンパクを阻害して解析することにより、膠原病の病態解明および新規治療法の開発を目指している。
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研究成果の概要 |
様々な膠原病の患者血清から細胞外小胞(EV)を単離し、液体クロマトグラフィータンデム質量分析計(LC/MS)でEV中のタンパク質発現の網羅的解析を行った。Gene ontology analysisなどで候補を絞り込み、immunoblot/ELISAにより確認した。その結果、炎症性筋疾患患者の血清中でPlexin D1陽性EVが有意に上昇しており、筋痛や筋力低下と相関していることを明らかにした。さらに、関節リウマチ(RA)の血清EV中で発現上昇しているタンパクを1つ、ANCA関連血管炎(AAV)の血清EV中で発現上昇しているタンパクを3つ同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞外小胞(EV)を介する情報伝達機構は、比較的最近明らかになったシステムであり、膠原病の病態におけるEVあるいはEVが内包するタンパクの関与を明らかにした研究はほとんど存在しない。したがって、本研究は膠原病、特に炎症性筋疾患の病態にEV表面上のタンパクが関わっている可能性を示した貴重な成果である。 膠原病の治療において、細胞間情報伝達物質であるサイトカインを阻害する治療法(抗サイトカイン療法)は大きな成功を収めている。本研究成果を基に、将来EVおよびその内包タンパクが膠原病の病態に関与していることが明らかになれば、それらをターゲットとする抗体治療が治療薬開発に寄与する可能性がある。
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