研究課題/領域番号 |
21K08450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
武内 徹 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (10330078)
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研究分担者 |
鈴鹿 隆保 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (50748225)
池本 正生 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 客員教授 (80144385)
小谷 卓矢 大阪医科薬科大学, 医学部, 特別職務担当教員(講師) (80411362)
岡田 光貴 京都橘大学, 健康科学部, 専任講師 (80747569)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 間質性肺疾患 / 膠原病 / S100タンパク質 / 間質性肺炎 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
間質性肺炎は膠原病の予後を規定する重要な合併症で、コントロールが難しいことが多く新たな治療法が求められている。CTD-ILDの発症や病態形成にはT細胞やマクロファージの活性化が関与している。共同研究者らは、S100タンパク質A8/A9を標的とするリコンビナントタンパク質Xを開発し、マクロファージの活性を抑制することで潰瘍性大腸炎の発症を抑制することを明らかにしている。本研究では、IPにおけるタンパク質Xのマクロファージ機能制御性タンパク質としての役割、およびIP治療に対する新規治療薬としての意義を明らかにする。
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研究実績の概要 |
膠原病に伴う間質性肺炎(IP)の発症や病態形成にはマクロファージの活性化が関与している。申請者らはS100タンパク質A8/A9を標的とするリコンビナントタンパク質(MIKO-1)を開発し、健常マウス群およびMIKO-I投与群・非投与群のブレオマイシン誘導性IPモデルマウスを比較することでIPにおけるMIKO-1の治療効果を明らかにした。 ブレオマイシン誘導性IPモデルにおいて、非投与群と比較してMIKO-1投与群では肺の線維化を1/3まで抑制し、肺組織を用いた定量PCR法でIL-6、IL-1β、TNFα、F4/80のmRNA発現が健常群と比較して非投与群では有意に増加し、MIKO-1投与群では健常群と同レベルまで低下した。また、線維化因子であるTIMP-1のmRNA発現も健常群と比較して非投与群では有意に増加し、MIKO-1投与群では健常群と同レベルまで低下した。MMP-9は非投与群では低下したが、MIKO-1投与群は健常群と同程度であった。 チオグリコール酸処理をしたマウス腹腔マクロファージを用いてin vitroにおけるMIKO-Iのマクロファージに対する作用を検討した。コントロールに比べてMIKO-I投与によりマクロファージのCD64発現が増強し、CD163発現が抑制された。また、培養上清中のIL-10およびIL-12濃度が増加した。腹腔マクロファージのmRNA発現についてもCD64、IL-10およびIL-12が増加していた。 以上より、ブレオマイシン誘導性IPモデルマウスにおいてMIKO-1は炎症性サイトカインを調節することで肺組織における炎症および線維化を抑制すること、さらにin vitroにおいて線維化と関連があるマクロファージのM2への分極をMIKO-Iが抑制することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マクロファージを用いたin vivoおよびex vivoの実験系が確立できているため進展している。
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今後の研究の推進方策 |
MIKO-1はS100タンパク質A8/A9を標的とする分子であり、マクロファージに取り込まれ炎症性サイトカイン産生の抑制やM2への分極抑制などにより作用すると考えられるが、細胞への取り込み、標的分子などMIKO-1の作用機序について解析は十分できていない。今後は、マクロファージに対するMIKO-1の作用機序、リンパ球、好中球に対する作用についても検討する。
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