研究課題/領域番号 |
21K08455
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
下島 恭弘 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (50436896)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ANCA関連血管炎 / BAFF / APRIL / 活性酸素 / SOCS3 / SIRT1 / Sirt1 |
研究開始時の研究の概要 |
抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎(AAV)では、再発を多く経験する。B細胞の維持・活性化に働くBAFFとAPRILは、ANCAの産生に寄与してAAVの発症に関与する。申請者は、AAV患者において、①臨床的寛解後もBAFF/APRILの過剰産生は残存し、②BAFF/APRIL産生細胞ではサーチュイン遺伝子(Sirt1)の活性が低下していることを確認した。以上より、Sirt1を賦活化してBAFF/APRILの過剰産生を制御する研究を行う。アンチエイジングによる自己免疫疾患の病態制御は画期的手法であり、既存の治療では難しいAAVの完全寛解を目指した免疫調整療法の開発研究になると確信している。
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研究成果の概要 |
ANCA関連血管炎(AAV)において、サーチュイン遺伝子(Sirt1)の賦活化によるBAFFやAPRILの制御を目的とした。BAFFおよびAPRIL産生細胞のSirt1形質移入でBAFFおよびAPRILの制御効果は得られなかった。レスベラトロールの抗酸化作用実験では、産生細胞内に発現するBAFFおよびAPRILの発現は有意に亢進した。細胞内のSOCS3の発現は低下を示し、BAFFおよびAPRILの発現と逆相関していた。リン酸化STAT1およびSTAT3は亢進していた。以上より、AAVにおけるBAFFとAPRILの産生亢進は、SOCS3-STAT1/STAT3シグナルが関与することが考慮された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身性エリテマトーデスではBAFFに対する中和抗体薬(ベリムマブ)が保険収載されているが、AAVではベリムマブの臨床効果が期待できない検証結果が報告された。申請者は、APRILもAAV患者の自己反応性B細胞の発現に寄与して病態に深く関わることを解明し、BAFFとAPRILをともに制御することがAAVの寛解維持に重要であることを報告した。膠原病患者のBAFF/APRIL産生細胞に着目した研究は類がなく、BAFFとAPRILの双方を産生細胞レベルで制御すればAAVの病態に即した疾患修飾療法になると確信する。
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