研究課題/領域番号 |
21K08479
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
金子 祐子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (60317112)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 成人スティル病 / マクロファージ / サイトカイン / マクロファージ活性化 / 成人発症スティル病 / マクロファージ活性化症候群 / 炎症性サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
成人スティル病は自然免疫系の異常活性化を病態とする全身性炎症性疾患で、中心的に働くのはマクロファージである。マクロファージ活性化症候群は、成人スティル病に併発する致死的重症病態であるが、現状ではマクロファージ活性化症候群への進展は予測不能であり、その病態を解明し予測因子を同定することは重要である。本研究では、成人スティル病患者の末梢血で網羅的なサイトカイン測定とimmunophenotyping解析を実施し、マクロファージ活性化症候群の予測因子や進展防止治療を同定する。
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研究成果の概要 |
成人スティル病患者72名と健常人16名の末梢血で、遺伝子発現を検討した。成人スティル病活動期に特徴的な遺伝子として2844のDEGsが抽出され、絞り込みによって疾患活動性スコアを構築した。validation cohortでも有意に疾患活動性を反映する可能性が示唆された。また、成人スティル病患者37名と健常人5名、その他の膠原病計60名の患者の末梢血で、mass cytometryで合計37のCDと細胞表面グロブリンを染色し47クラスターを同定した。寛解状態の成人スティル病患者ではNK細胞を中心とした細胞が特徴的に残存することが判明し、マクロファージ活性化機序を担うことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成人スティル病は発熱、関節炎、皮疹を三主徴とする原因不明の炎症性疾患である。病態の主体は、マクロファージや好中球を主体とした自然免疫系の異常活性化が病態と考えられている。マクロファージ活性化症候群は、成人スティル病に併発する致死的重症病態であるが、疾患活動期とマクロファージ活性化症候群併発時のマクロファージ活性化の相違は明確でなかった。本研究で発現遺伝子パターンおよび活性化免疫細胞の詳細な検討を通じて、マクロファージ活性化の定量化と病態に重要な細胞を同定した意義は大きく、さらなる検討によりマクロファージ活性化発症予測や適切な治療介入につながる可能性がある。
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