研究課題
基盤研究(C)
これまでHAM患者での病態解析は末梢血T細胞を用いて行われてきたが、有用なHAMマーカーは見つかっていない。本研究ではHAM病態形成の場である脳脊髄と末梢血でのT細胞を1細胞解析を行うことで、HAM患者特有の遺伝子発現を同定する。また、それらの結果とTCR-peptide predictionアルゴリズム解析を組み合わせることで脳脊髄に浸潤したT細胞が認識する抗原を同定し、HAM患者でのHTLV-1抗原特異的CTLが特異的に発現する遺伝子(HAMマーカー)の探索も同様に行う。
HLA-A24陽性HAM患者の多くでで脳脊髄液中のCD8T細胞はTax抗原を認識することがわかった。シングル解析によって得られたデータセットを用いてGene signature解析を行ったところ、脳脊髄液から由来するTax特異的CD8T細胞は末梢血の細胞に比べてcell cycling, proapoptotic, exhaustionなどのマーカーの発現が増加していることが分かった。HLA-A24拘束性Taxペプチドが2種類あり、HLAマルチマーの染色性に影響を与えることがわかった。
本研究ではHAM患者の脊髄病変に浸潤しているHTLV-1抗原特異的CTLの遺伝子発現プロファイルに基づき、末梢血での同CTLが発現するHAMの発症リスク遺伝子を発見することを目的としている。HTLV-1特異的CTLが発現するHAMの発症リスク遺伝子を探索するため、次世代シークエンサーを用いて脳脊髄液中のCTLの1細胞遺伝子発現解析とTCRレパトア解析を行った。TCR-CDR3やclonotypeに基づき脳脊髄液中のHTLV-1特異的CTLとの比較を行うことでHAMの発症リスク遺伝子群の発見を目指し、それらを利用してHAMの早期発見・治療開始に繋げる。
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