研究課題/領域番号 |
21K08502
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
伊藤 睦代 (高山睦代) 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 室長 (70392313)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | マウスモデル / ラブドウイルス / 脳炎 / 治療薬 / 薬剤併用 / 相互作用 / SCIDマウス / 急性脳炎 / 動物モデル / スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
ラブドウイルス属に属するChandipura virus(CHPV)は小児の急性脳炎を起こす.致死率は50-70%と極めて高いが,有効な治療法は確立されていない.in vitroでCHPVに効果を示す薬剤が数種類報告されているが,適当な動物モデル系がなく,in vivoでの効果は検証されていない.本研究では効果的な治療法の開発を目的とし,新規に開発した免疫不全マウス(SCID)のモデル系を用いてFabipiravirおよびスクリーニングにより選択された薬剤のin vitro およびin vivoでの薬効評価を行う.
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研究実績の概要 |
ラブドウイルス属に属するChandipura virus(CHPV)はインドにおいて小児の急性脳炎のアウトブレイクを起こすことが知られている。その致死率は50-70%と極めて高いが、有効な治療法は確立されていない。これまでに、数種類の薬剤等がin vitroで効果を示すことが報告されているが、in vivoで効果を検証したものはない。本研究ではCHPVに対する効果的な治療法の開発のため、Favipiravirおよび選択された薬剤のin vitro およびin vivoでの薬効評価を行うことを目的としている。 昨年度までにドラッグライブラリのスクリーニングによって、CHPVの増殖を抑制する薬剤として選択された4つの薬剤について詳細な解析を行い、NiclosamideとNelfinavirがin vivoで到達可能な濃度以下で高い増殖阻害効果を示すことを明らかにしてきた。そこで、本年度はNiclosamideとNelfinavirについてin vitroでの併用効果を解析した。単剤での効果や細胞毒性の結果から適当な希釈段階を算出した。Niclosamide では0.20~0.05 μM、 Nelfinavir では5.0~1.3 μMの範囲で両薬剤の段階希釈液を作製した。Vero細胞にCHPVをmoi=0.01で感染させ、薬剤混合液を添加した培養液を加え培養した。2日後に培養上清を回収し、ウイルス力価をプラーク法で測定した。両薬剤の単剤および併用によるウイルス増殖抑制効果についてR及びRStudioを用いて解析を行った。Bliss 独立性モデルにより解析した結果、これら2つの薬剤は幅広い濃度領域において1.1~3.3倍の相乗効果を示すことが明らかとなった。さらにdose モデルによる解析の結果、A = Niclosamide、 B = Nelfinavirとしたとき、αAB = -0.47、αBA = -0.14となり、両薬剤が双方向性に相乗効果を示すことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度予定されていた実験はおおむね予定通り終了した。また、昨年の成果についてはElsevier社のAntiviral researchに発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
NiclosamideとNelfinavirはSARS-CoV-2を含むいくつかのウイルスに対する効果があることが報告されている。そこで、今後は相乗効果の頑健性と他のRNAウイルスに対する一般性を明らかにするため、SARS-CoV-2等他のRNAウイルスに対する相乗効果についても解析していく予定である。
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