研究課題/領域番号 |
21K08546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
工藤 和洋 弘前大学, 医学研究科, 助教 (50772026)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 岩木健康増進プロジェクト / 糖尿病性神経障害 / PINT / 痛覚閾値 / 腸内細菌叢 / 糖尿病 / 神経障害 / 腸内細菌 / 実験病理学 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病性多発神経障害は糖尿病患者さんに多い合併症で、生活の質を悪化させます。従って早期治療、予防が必要となります。そのためには発症のメカニズムを解明する必要があります。私たちは大規模健診(岩木健康プロジェクト)の結果から腸内細菌叢の乱れが糖尿病性神経障害の超早期段階の発症に関与しているという仮説をたてました。今回の研究では大規模健診の結果を用い、痛覚の低下に腸内細菌の乱れが関係しているかを検討します。また、動物実験で、糖尿病の動物で腸内細菌が乱れているか、神経に炎症が発生しているかを確認します。また、プロバイオティクス(有益な生菌)で改善するかを調べます。
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研究実績の概要 |
糖尿病多発神経障害(DPN)は最も早期から発症し、頻度が高い。未だ根治的治療法は確立しておらず、そのため発症早期の介入が重要であることが分かっている。そのため早期病変の病態の把握により、その予防、根治が期待される。 一方、弘前大学医学部は2005年より、弘前市郊外の岩木地区住民の健康増進、平均寿命の延長を目的とした「岩木健康増進プロジェクト健診(岩木健診)」を毎年1,000人以上の協力者に対して健診を行っている。検査項目は毎回2,000項目にわたる。申請者が所属している講座では2017年より、同健診において表皮内神経痛覚閾値: PINT(pain threshold of the intraepidermal nerve terminal)試験による足背皮膚の感覚検査を行っている。本検査は日本光電より発売されている装置、PNS-7000を用いた小径神経機能評価検査です。皮膚に電極を貼付し、微弱電流で刺激し、反応の有無で痛覚閾値を約5分で評価できる。この方法により、従来は皮膚生検でしか評価できなかった表皮内小径神経の障害を非観血的に検討可能となった。 我々は正常高値HbA1c値症例で既にPINT値が上昇しうること、血中の Lipopolysaccharide-Binding Protein (LBP) 濃度が早期DPNのバイオマーカーとなりうることをこれまで報告してきた。血中LBP上昇の原因として腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)が知られている。Dysbiosis は2型糖尿病の促進因子であることが近年知られてるが、DPNの発生と腸内細菌叢との関連の有無は不明である。2018年岩木健診のデータを用いて検討したところ、バクテロイデス属の低下と痛覚閾値の上昇が認められた。本年度はこれらのことをさらに検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. 痛覚閾値と腸内細菌叢の関連について、バクテロイデス属の低下と痛覚閾値の上昇の相関を見出した。 2. その相関には高血糖、食事成分は関与していないことを確認した。 3. 多変量解析において、PINT値を悪化させる臨床的因子を調整因子としても、バクテロイデス属の低下は痛覚閾値との上昇と相関していた。 4. これら結果はNeurobilology of disease誌に受理され、論文化することができた。
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今後の研究の推進方策 |
1. 動物モデルにおける腸内細菌とDPNの関係について検討を加える。 2. グラム陰性桿菌から放出されるリポポリサッカライドによる末梢神経機能の変化について、動物モデル、細胞モデルを用いて検討を加える。
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