研究課題/領域番号 |
21K08590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
菊地 晶裕 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 特任助教 (90321752)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 1型糖尿病 / マイオカイン / IL-6 / 臓器間ネットワーク / シングル核RNA-seq解析 / シングルセル解析 / 1型糖尿病 / アディポカイン / シングルセル遺伝子発現解析 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは先に1型糖尿病はインスリンの欠乏だけではなく、液性因子を介した臓器間ネットワークが破綻することでその病態が形成されることを明らかにしてきた。本研究では、マウスを用いて骨格筋から分泌されるマイオカインを介した臓器間ネットワークによる代謝調節メカニズムの解明を行う。 また、1型糖尿病患者における血中マイオカインレベルと血糖コントロールに必要なインスリン投与量との関連を解析し、ヒトにおいてもマウスと同様な代謝調節メカニズムが存在することを明らかにし、1型糖尿病において破綻した臓器間ネットワークの修復を標的とした新規治療法開発の道を拓く。
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研究成果の概要 |
1型糖尿病の原因はインスリン欠乏であるが、同時にマイオカインの分泌異常も認められる。そのため、マイオカインの分泌異常を修復すれば、インスリンの使用量を減らし、かつ、安定した血糖コントロールが可能になると考えられる。本研究では1型糖尿病モデルマウスにおいて過剰分泌が認められたIL-6に着目し、IL-6中和抗体とインスリンをマウスに併用投与して血糖を追跡した。その結果、併用投与群ではインスリン単独投与群と比べてより良好な血糖コントロールが実現できた。 また、マイオカインの異常分泌メカニズムを1細胞レベルで解明することを目指し、シングル核RNA-seq解析に適したサンプル調整法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1型糖尿病の主要な治療はインスリン補充であるが、血糖コントロールは必ずしも容易ではなく、血糖値の上昇を補正し過ぎることで低血糖昏睡に至ることもある。また、長期のインスリン投与は様々な合併症を引き起こす場合もある。そこで、1型糖尿病に対し、インスリンの使用量を減らし、かつ、安定した血糖コントロールが可能となる新規な治療法が求められている。本研究では、1型糖尿病マウスで過剰分泌しているIL-6の作用を中和抗体により中和させるとインスリンの単独投与よりも血糖コントロールが安定することを示した。得られた知見は1型糖尿病の新規治療法の開発の基盤となる。
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