研究課題/領域番号 |
21K08626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
井上 成一朗 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70431690)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経芽腫 / NK細胞 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 免疫チェックポイント阻害療法 / 抗腫瘍免疫 / 小児固形腫瘍 / 抗体療法 / 免疫チェックポイント阻害 / 腫瘍免疫 / 小児悪性腫瘍 / CD69 陽性リンパ球 / 腫瘍浸潤免疫細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
マウス神経芽腫モデルを用いて、抗PD-1/PD-L1抗体を投与し腫瘍浸潤免疫細胞を解析する。抗体投与と免疫細胞治療を組み合わせ、予後不良の難治性神経芽腫に対する新規免疫チェックポイント阻害療法の開発を目指す。 腫瘍浸潤リンパ球を高率よく誘導する抗体投与法を確認する。腫瘍浸潤リンパ球を活性化する腫瘍浸潤樹状細胞を分離同定する。マウス骨髄から樹状細胞を作成し、骨髄由来樹状細胞を腫瘍細胞と抗PD-1/PD-L1抗体を添加して混合培養し、抗腫瘍反応を高率に誘導する樹状細胞を培養系で作成する。細胞治療と抗体投与を組み合わせ、効果の高い新規免疫治療法のプロトコールを作成する。
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研究成果の概要 |
マウス神経芽腫モデルを用いて、抗PD-1/PD-L1抗体を用いた免疫チェックポイント阻害療法により得られる抗腫瘍効果の免疫学的メカニズムの解析を、腫瘍に浸潤する免疫細胞に注目して解析した。本モデルで得られる抗腫瘍効果は約80%前後にとどまり、全例に奏功するのではないことが判明した。そこで十分な抗腫瘍効果が得られたマウスと得られなかったマウスの腫瘍に浸潤する免疫細胞を解析すると、抗腫瘍効果が得られたマウスの腫瘍にはCD49b陽性NK細胞とCD69陽性の活性化CD8陽性Tリンパ球の浸潤がより多く認められることが判明し、この2種の免疫細胞の浸潤が抗腫瘍免疫反応に大きく関与していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床データでは、進行神経芽腫に対する免疫チェックポイント阻害療法は、単一の抗体投与では期待されたほどの十分な治療効果が得られていないことが報告された。本研究では、治療効果不良群ではNK細胞及び活性化CD8リンパ球の浸潤が治療効果良好群に比べ少ないことが示され、抗腫瘍免疫反応を十分に得るためには、このNK細胞および活性化CD8リンパ球の浸潤を促進することが重要であることが証明された。NK細胞浸潤及びCD69陽性CD8Tリンパ球の腫瘍浸潤を促進することができれば、有効性の高い新規免疫療法を開発することが可能であること示しており、今後の新規治療開発に有効な知見が得られたといえる。
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