研究課題/領域番号 |
21K08662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
和田 有子 信州大学, 学術研究院医学系, 講師 (30419410)
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研究分担者 |
中山 泰秀 大分大学, 医学部, 客員研究員 (50250262)
柴 祐司 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (70613503)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | IBTA / バイオシート / 生体内組織形成術 / iPS細胞由来心筋細胞 / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は新しい心筋材料(iPSシート)の開発を目指して行われる。 iPSシートとは生体内組織形成術(IBTA)によって作成されたバイオシートにin vitroにてiPS細胞由来心筋細胞を生着させたシートであり、この人工心筋組織は、自己組織と癒合し、栄養血管を自ら形成しつつ、個体の成長に伴って成長するという利点を持つ理想的な組織補填材である。本研究ではこれをラット左室環境に移植するモデルを用いて、①バイオシートに生着した心筋細胞が遠隔期生存し ②native心筋と電気的に結合し収縮する代替心筋として環境に適応することを示し、臨床応用に向けた第一歩を築きたいと考えている。
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研究成果の概要 |
1,ラット異所性心移植モデルを改変し左室拍出モデルを作成した。このモデルではドナー肺静脈とレシピエント腹部大動脈を吻合することにより、左室内に順行性に酸素化された血液が流入しドナー大動脈弁から拍出されるモデルである。このモデルにおいては左室内に十分で生理的な充満圧がかかることを示した。 2,IBTA技術を用いて作成されたバイオシートにiPS細胞由来心筋細胞を播種し共培養することによって、拍動する心膜シートを得ることができた。心筋細胞はバイオシートに十分接着しており、心臓手術に応用できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「収縮力を持ち、移植環境に適応し、個体の成長とともに成長する人工心筋シート」は我々心臓外科医にとっては夢の人工材料である。IBTA技術を用いて作られたバイオシートは①吻合に耐えうる強度と柔軟性 および ②左室充満圧に対抗できる十分な厚さと強度を持ち、左室環境に移植された場合③心腔面の完全な内皮化と栄養血管の侵入がみられることが示されており、このシートにiPS細胞由来心筋細胞を生着させることで得られた「拍動する心膜シート」は、広範囲心筋梗塞治療や小児心臓外科分野での心臓再建に応用できる可能性がある。
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