研究課題/領域番号 |
21K08664
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川島 雅央 京都大学, 医学研究科, 助教 (80766676)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 乳癌 / 細胞外小胞 / 脂質代謝 / リキッドバイオプシー / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
一部の脂質由来物質は免疫調整作用を有するが、免疫チェックポイントの活性調節に関与する脂質は同定されていない。本研究では、癌組織由来の細胞外小胞(EVs)脂肪酸組成の違いによって免疫チェックポイント活性を予測できるかどうかを検証する。方法として、①乳癌細胞株を用いて、既知の免疫チェックポイント誘導因子とEVsの脂質組成の関係を調査し、②臨床検体を用いて免疫チェックポイント活性を反映する血漿中EVsの脂質組成の特徴(Lipid signature)を同定する。本研究によって、原発性乳癌に対する免疫チェックポイント阻害療法の効果予測を可能にする新しい血中バイオマーカーが同定されることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、血中細胞外小胞(EV)の脂質プロファイルの違いによって、乳がんの有無や腫瘍のサブタイプ、病期を識別することができるどうかを、日本人乳がん患者、および健常者由来の血漿検体を用いて検討した。スクロースクッション超遠心法を用いることで、リポタンパク質のコンタミネーションなく高品質のEV分離精製できることを確認。乳がん患者、良性乳腺疾患患者、健常人よりなる、2つの独立したコホートを用いた検証で、EVの脂質組成の違いをベースにした乳がんの診断モデルを作成することに成功した。探索的解析で、乳がんのステージやサブタイプの違いを反映する脂質が存在する可能性も確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血漿由来EVの脂質のプロファイリングを、乳がんの有無、病期やサブタイプを診断できるリキッドバイオプシーとして応用できる可能性が示唆された。EVの脂質組成が乳がん診断に応用できるとした報告はこれまでに前例が無く、ユニークな研究結果であると考えられる。血液による診断は、従来の病理組織診断に比べるとはるかに低侵襲であり、本成果が患者負担の少ない優れた診断法開発の一助となる可能性がある。ただし、臨床使用に十分な性能を達成するためには、EV分離技術の向上も含めたさらなる技術革新と、より大規模なコホートでの検証が必要である。
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