研究課題/領域番号 |
21K08668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
伊藤 佐智夫 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (30335624)
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研究分担者 |
堺 明子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60205698)
大内田 守 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (80213635)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | MYNN / Myoneurin / p53 / lung cancer / myoneurin / microRNA / Lung cancer / 肺癌 / BTB/POZ / 発癌機構 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新規癌関連遺伝子Myoneurin (MYNN)とp53および標的遺伝子を統合的に解析することでCancer driver geneとしてのMYNNの機能を明らかにし、肺癌における発癌メカニズムを解明・分子標的薬の開発に寄与することを目的とする。 我々は、MYNNがp53と直接結合しており、DNA損傷刺激によるp53の活性化でMYNNタンパク質の量が減少すること、逆にMYNN過剰発現でp53およびp21が減少することを発見した。今回の研究では、このMYNNとp53の相互調節機構に着目して、これら分子の交互作用を分子生物学的手法を用いて解明していく。
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研究成果の概要 |
我々は本研究でMYNNの癌に関わる機能解析を行った。MYNN過剰発現により細胞の増殖能と浸潤能が亢進、MYNNとp53が直接結合していおり相互制御に関与していることがわかった。MYNNの発現抑制はp53活性化に伴い発現誘導されるmicroRNAによる転写後抑制であることが明らかとなった。さらに抗体を用いたクロマチン免疫沈降-PCRでMYNNがいくつかのp53標的遺伝子の調節領域に結合することを発見した。MYNN過剰発現細胞株とコントロール細胞株のRNA-SEQ解析では、MYNNが抑制する11種類のがん抑制遺伝子を同定し、その遺伝子の中にはp53の標的遺伝子でも確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Myoneurin (MYNN)は、BTB/POZタンパク質ファミリーに属し、肺癌において高頻度に遺伝子増幅がみられる。MYNNがコードされる染色体3q26領域は多くの癌でも増幅が確認され、Cancer driver geneとして機能しているのではないかと考えた。これまでの申請者の研究により、MYNNが強力な転写抑制能、腫瘍形成能、がん抑制遺伝子p53との結合能を有することから、MYNNの機能解析は発癌を理解する上で大変重要である。本研究においてMYNNはp53とその標的遺伝子およびその他多数のがん抑制遺伝子の発現を抑制することにより肺癌の発症と悪性度の獲得に関与していることが示唆された。
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