研究課題/領域番号 |
21K08673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大山 康博 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10892680)
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研究分担者 |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
久保 真 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60403961)
山崎 章生 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80404440)
永井 俊太郎 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90755240)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 乳がん / 癌線維化 / Hedgehogシグナル / 腫瘍浸潤リンパ球 / 細胞傷害性リンパ球 / 抗腫瘍効果 / 癌微小環境 / スキルスタイプ / リンパ球組織浸潤 / 癌免疫療法 / 新規癌治療法開発 / 乳癌 / 癌浸潤リンパ球 / 硬癌 / 乳癌線維化 / Hedgehogシグナル阻害剤 / 癌免疫治療 |
研究開始時の研究の概要 |
Hedgehog阻害剤Ptch1ペプチドが高度の線維化が認められる膵癌で線維化を抑制し、膵癌組織に浸潤する活性化リンパ球数が増加し抗腫瘍効果が増強する結果を得た。乳癌においても膵癌同様に硬癌など線維化を著明に呈する癌腫が存在するが、乳癌ではホルモン受容体やHER2受容体発現の有無の観点から治療法開発研究が行われることが多く、「線維化抑制」という組織学的観点から治療法開発が行われることは少ない。本研究では乳癌の新規治療法開発のために、「Hhシグナル阻害剤が乳癌の線維化を抑制できるか、それに伴いリンパ球組織浸潤が促進され免疫監視機構が構築でき、抗腫瘍効果が増強されるか」の2点に焦点をあて研究する。
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研究成果の概要 |
本研究では乳癌の新規治療法開発のために、「乳癌線維化」に着目し、「①Hedgehog(Hh)シグナル阻害剤が乳癌の線維化を抑制できるか、それに伴い②リンパ球組織浸潤が促進され免疫監視機構が構築でき、抗腫瘍効果が増強されるか」検討を行った。しかし、乳癌細胞株MCF-7ではHhシグナル阻害剤で線維芽細胞の線維化が十分には抑制されなかったため、現在は種々の乳癌細胞を用いて線維化の抑制の実験を行っている。一方で、HLA拘束性のalloCTL(細胞傷害性リンパ球)は首尾よく誘導できたので、Hhシグナル抑制剤により線維化が抑制される細胞株を確認でき次第、免疫不全マウスを用いた治療実験に移行する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Hedgehogシグナル阻害剤が乳癌の線維化を抑制し、それに伴い、免疫細胞の癌組織流入を亢進させ抗腫瘍効果につながる結果が得られれば、1)細胞性免疫惹起による免疫寛容状態の改善に寄与する。また、2)抗PD-1抗体などの免疫チェックポイント阻害剤の奏功率向上に寄与(複合免疫療法)し、今後、乳癌の治療オプションが増える可能性がある。さらに、3)乳癌線維化抑制に伴い、薬剤の組織内への浸透が増加し薬剤感受性が亢進する可能性があり、Hh阻害剤と各種抗癌剤あるいは分子標的薬との併用療法の研究にも新たな道を開くことが期待される。
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