研究課題/領域番号 |
21K08685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原田 昇 九州大学, 大学病院, 講師 (80419580)
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研究分担者 |
戸島 剛男 九州大学, 大学病院, 助教 (40608965)
武石 一樹 九州大学, 大学病院, 特別教員 (50733713)
栗原 健 九州大学, 大学病院, 助教 (50823598)
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 教授 (80363373)
伊藤 心二 九州大学, 大学病院, 講師 (90382423)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | iPS-Heps / 急性肝不全 / 大量培養 / Scaffold / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
iPS細胞由来肝細胞(iPS-Heps)の急性肝不全の治療効果を検討するために、 ①まずヒトiPS細胞を内胚葉(endoderm)に分化し、single cell passageを施行する。 ②検体から単離したhepatocyteを効率的に増殖させる新規方法を確立する。蛍光免疫染色による細胞確認と機能確認を施行し、さらに癌化しないという安全性確認を施行する。 ③このiPS肝臓細胞を用いて、マウス70%肝切除モデルによって急性肝不全の治療効果を検討する予定である。
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研究実績の概要 |
iPSは急性肝不全を含めた再生医療への応用が期待されるが、肝移植に代わる人工肝臓の作成には至っていない。これまでに我々は脱細胞化したScaffoldにiPSから分化させた肝細胞(iPS-Heps)、胆管細胞、血管内皮細胞を再細胞化したミニ人工肝臓を作成し、作成した人工肝臓は生体内で機能を有することを明らかにし、iPSを用いた肝再生グラフトの可能性を報告した(Cell Rep.2020)。しかしながら、このミニ人工肝臓を臨床応用するためには、サイズアップが必要であり、iPS-Hepsに安全かつ容易に大量培養することが必要と考えた。iPS-Hepsを大量培養する方法として取組んでいるのが、iPS由来星細胞(iPS-Ste)との共培養および免疫不全ラットへの細胞移植である。 これまでに我々は脱細胞化したScaffoldにiPSから分化させた肝細胞(iPS-Heps)、胆管細胞、血管内皮細胞を再細胞化したミニ人工肝臓を作成し、作成した人工肝臓は生体内で機能を有することを明らかにし、iPSを用いた肝再生グラフトの可能性を報告した。しかし、このミニ人工肝臓を臨床応用するためには、サイズアップが必要であり、iPS-Hepsに安全かつ容易に大量培養することが必要と考えた。現在iPS-Hepsを大量培養する方法として取組んでいるのが、iPS由来星細胞(iPS-Ste)との共培養および免疫不全ラットへの細胞移植である。 独自の方法で分化させたiPS-HepをiPS-Steと共培養しiPS-Hepsの細胞増殖を検討し、その肝細胞としての機能①増殖機能②HGF濃度③肝細胞文化マーカーのチェック④iPS-Steの機能解析⑤経門脈的な細胞移植を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のように①独自の方法で分化させたiPS-HepをiPS-Steと共培養しiPS-Hepsの細胞増殖を検討した。 実際にはiPS-Steと共培養したiPS-Hepsは、コントロールである肝星細胞株(LX-2)と共培養したiPS-Hepsと比べ、約2倍の増殖効果を示した(p < 0.001)。 ②iPS-SteとLX-2上清中のHGF濃度は、iPS-Steで有意に高値であり (209 vs 0 ng/ml, p < 0.0001) ③iPS-Steと共培養したiPS-Hepsは、有意に肝細胞分化マーカーの発現も高値であった。しかし、TGFbにて活性化したiPS-SteのHGF分泌は有意に低下し、iPS-Hepsの増殖効果は有意に低下した。このことより活性化していないiPS-SteはiPS-Hepsを増殖させた。 ④次にラットへの細胞移植では、IL-2/Rac2 double KOラットに1.0X106個のiPS-Hepsを経門脈的に細胞移植を施行した。移植後14日目のラット血中よりヒト特異的アルブミン125ng/ml検出し、移植後90日目の摘出肝の免疫染色では、肝細胞の95%以上がヒト特異的タンパク質(アルブミン、STEM121)陽性となり、50X106個(移植前の50倍)のヒト由来細胞を分離することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後不活性化iPS-Steとの共培養および免疫不全ラットへの細胞移植によりiPS-Hepsを大量培養するシステム構築を進めており、iPS-Hepsは、iPS-Steと共培養すること、さらに免疫不全ラットへの細胞移植によりiPS-Hepsを大量培養する システム構築を進めていき、臨床応用するために更なる検討を行って行く方針である。
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