研究課題/領域番号 |
21K08707
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
谷 眞至 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60236677)
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研究分担者 |
前平 博充 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30564918)
飯田 洋也 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30733901)
竹林 克士 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70452240)
三宅 亨 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70581924)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | リンパ節 / 細網線維芽細胞 / 転移 / リンパ節転移 / 線維化 / 転移リンパ節 |
研究開始時の研究の概要 |
がんの増殖においてリンパ節転移は早期から認められるとともに、胃癌、大腸癌、膵癌など消化器癌において重要な予後規定因子である。申請者らは大腸癌の転移リンパ節における線維化が強い予後不良因子であり、細網線維芽細胞(Fibroblastic reticular cell; FRC) がリンパ節線維化に関与することを明らかにした。しかし、がんの転移リンパ節におけるFRCの意義はほとんど明らかではない。本研究では、がんのリンパ節転移におけるFRCの機能解析を目的とする。生体内でのがん悪性化に対するFRCの役割についてvivo、vitroの両面から解析を行い、リンパ節転移を制御する新規治療法開発を目指す。
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研究実績の概要 |
癌治療において転移は制御すべき最大の課題であり、癌患者における死因は90%が遠隔転移である。多くの癌腫でリンパ節転移は最も初期に認められる転移であり、強い予後規定因子である。胃癌、大腸癌など消化器癌において重要な予後規定因子であり、リンパ節転移の制御により癌患者の予後の改善が期待される。 リンパ節は異物や細菌に対し特異的な免疫応答が行われる最初の場である。リンパ節に存在する間葉系細胞である細網線維芽細胞(Fibroblastic reticular cell :FRC)は傍皮質領域における3次元の骨格形成を担い、IL7やCCL19を介してT細胞の恒常性を維持し、感染防御において重要な役割をもつことが報告されている。一方で、FRCがどのように癌の悪化や癌免疫に関与するかは明らかではない。 癌細胞の転移は上皮間葉移行(EMT)や血管内浸潤、colonizationなど多段階に制御されている。また、血管細胞、免疫細胞や線維芽細胞などで構成される癌微小環境も癌の浸潤・転移に重要な因子である。我々はこれまでに膵癌を含む消化器癌の進展、再発に対する基礎的かつ臨床的な検討を行ってきた。原発巣での癌先進部における線維化が癌の進展、転移に重要な役割を果たしていることは知られている。我々はヒト大腸癌の転移リンパ節において、間質の線維化が予後不良因子であり、転移リンパ節の間質で増殖した細胞の多くがFibroblastic reticular cell (FRC)であることを報告した。FRCは感染防御に重要な役割を果たしていることが知られているが、癌転移リンパ節における役割についてはほとんど明らかではない。本研究では間葉系細胞による癌細胞への影響について in vitroやマウスモデルを用いて検討をおこなう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスや臨床検体から皮膚やリンパ節、膵臓などの間葉系細胞の採取を行い、樹立を行っている。マウスのリンパ節からの間葉系細胞の採取は細胞数が少なく増殖能も低いため、難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
採取細胞数を増やすことや、サイトカインなどの刺激により、より効率的な間葉系細胞の採取を目指す。マウスや臨床検体から培養から採取した間葉系細胞細胞を用いて、癌細胞と共培養を行うことで細胞増殖や遺伝子発現について検討する予定である。 また、低酸素環境などによる変化も考慮し、癌細胞に与える影響を解析する。 また、臨床検体における発現についても解析し、予後や臨床情報、また、免疫細胞との関連についても検討する。
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